機能で選ぶ薄型テレビ、北京オリンピックはどれで観る?

特集

2008/05/02 00:33

 4年に1度のオリンピックを間近に控え、「ハイビジョンの美しい画面で観戦したい」と考えている人も多いのでは……。それを見越して、各メーカーとも個性的な機能と工夫を凝らした新製品を投入している。今回は、こうしたメーカー自慢の機能や特徴に注目しつつ、モデル選びの基準を整理してみよう。

●大画面液晶タイプはフルHDに加え、独自の映像処理機能に着目

 ハイビジョン放送をそのままの画質で、高精細に表示する水平1920×垂直1080画素のフルハイビジョン(フルHD)液晶パネルは、もはや大画面タイプの標準スペックといってよい。画面サイズが大きくなればなるほど、その画質は際立つ。家族みんなで楽しむリビングテレビのように、37V型以上の大画面タイプならば、やはりフルHD対応モデルを選びたい。

 加えて各メーカーでは、映像をより美しくなめらかに再生するため、独自の工夫を凝らした映像処理技術を採用している。例えば、最近よく目にする「倍速表示」機能もその1つ。通常、テレビの映像は1秒間に60コマの画像で構成されるが、倍速表示では前後の画像の中間をデジタル処理で補完しながら、1秒120コマ再生で表示する。特にスポーツなどの動きの速い映像では、よりブレが少ない再生ができるというわけだ。

 シャープの液晶テレビ「AQUOS」の「X」シリーズは、倍速フルHD液晶技術を採用したパネルを搭載。ディスプレイとチューナー部分が分かれたセパレートタイプで、壁掛け設置にも対応するのが特徴だ。新開発の「薄型3ウェイ8スピーカーシステム」内蔵による、迫力あるサウンドも楽しめる。

 ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」の「F1」シリーズでは、倍速表示の「モーションフロー」と、高画質回路「ブラビアエンジン2」、色再現性に優れた「ライブカラークリエーション」を搭載。40V型と46V型「フルHD10bitパネル」を搭載している。

 「フルハイビジョンIPSαパネル」を備えたパナソニックの液晶テレビ「VIERA」の「LZ85」シリーズも、倍速表示で残像感を低減する「フルハイビジョン新Wスピード」を採用。さらに、「フルハイビジョン新WコントラストAI」搭載で、優れたコントラスト比(10000:1)を実現する。

 色の階調表示・補正機能なども含め、こうしたメーカー自慢の映像処理技術は製品選びのカギになる。フルHDの高精細な映像を存分に楽しむ上で、着目したいポイントだ。新しく登場してきたディスプレイとチューナーのセパレートタイプも注目の的。壁掛けはもちろん、設置レイアウトが自由にできるという点で、選択肢の1つに追加しておこう。

●残したいシーンを一発録画!簡単操作のレコーダー内蔵タイプ

 テレビとセットで使用するレコーダーも、簡単な操作をウリにするシンプルモデルが増えてきた。また、同じメーカーの機器同士なら、リンク機能で簡単に録画などの操作ができるものもある。

 しかし、機器が増えればそれだけ操作や接続が複雑になってしまいがち。できるだけシンプルな操作で楽しみたいなら、レコーダーを内蔵した一体タイプもおススメだ。テレビ本体だけですぐに録画できるので、レコーダーの起動やメディアの準備も必要ない。オリンピック競技をとっさに録画したくなっても、リモコンのボタン1つでOKだ。

 日立製作所の液晶テレビ「Wooo」の「UT-XP770」は、ディスプレイとチューナー部が分離したレイアウトフリーが特徴。チューナー部に250GBのHDDを内蔵し、番組の録画が簡単にできる。着脱式のHDD「iVDR-S」による容量増設が可能で、豊富なネット機能も備える。

 300GBのHDDを内蔵した東芝の液晶テレビ「REGZA」の「ZH」シリーズも、テレビ単体で録画・再生操作ができる。部屋の明るさや映像の種類によって映像モードを自動的に調整する「おまかせモード」や、音量レベルを自動的に調整する「ドルビーボリューム」など、便利な機能も搭載する。

●スポーツの速い動きにはやっぱりプラズマテレビ

 液晶パネルも進化して、デメリットといわれていた映像の残像感などもずいぶんと解消されてきた。しかし、それでも「残像が少ないプラズマテレビのほうが見やすい」という意見は多い。映像の動きが速いスポーツシーンの鑑賞には、どちらかといえば、プラズマテレビに軍配が上がるようだ。
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 また、映画鑑賞などで映像の質感にこだわるユーザーの中にも、“プラズマ派”が多いのは事実。アクションシーンといった速い動きに強いことに加え、色の再現性にも優れたプラズマテレビは、ホームシアターのように部屋を暗くして鑑賞するのに向いている。

 「新世代PDP」をパネルに採用したパナソニックのプラズマテレビ「VIERA」の「PZ800」シリーズは、30000:1の高コントラスト比を実現。新開発の「広色域プラズマパネル」と、「カラーリマスターシステム」による豊かで臨場感ある色表現力が魅力だ。

 日立のプラズマテレビ「Wooo 02」シリーズの「P50-XR02」は、黒の表現力に優れた「1080フルHD ブラックパネル」を備え、30000:1の高コントラスト比で階調豊かな映像を楽しめる。本体には250GBのHDDを内蔵し、番組の録画・再生も簡単に操作できるのがうれしい。

●一人暮らしや2台目のテレビ購入にはオシャレな小型タイプ

 一人暮らしのワンルームや、寝室、書斎用にテレビを購入するなら、カラーやデザインにこだわった小型タイプが最適。インテリアに合わせて選べる豊富なカラーバリエーションで、部屋に彩りを加えることもできる。

 ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」の「M1」シリーズは、シルバー、ブラックに加え、ピンク、グリーン、ブルー、オレンジのポップなカラーバリエーションがあり、丸みのあるキュートなボディが特徴。HDMI入力端子や、PC接続用のD-sub15ピン端子も備えている。

 ビクターの液晶テレビ「EXE」の「LT」シリーズにも20V型のカラフルな「LT20-L1」が登場。サクラピンク、シュガーホワイト、ミントグリーン、エナメルブラックの4色から選択できる。流線型のデザインにデジタル時計を組み込んでいるところがユニークだ。(フリーライター・山崎信潔)