デジタルビデオカメラで撮影した映像をPCで編集するビデオ編集ソフト、その高級化が進んでいる。特に目立つのは高い圧縮率でハイビジョン映像が記録できるAVCHD規格対応の製品。平均価格もじりじりと上昇し、最近では5000円以上1万円未満のものが3割を占めるまで拡大してきた。「BCNランキング」で最新の動向をまとめた。

●平均価格が年間で1000円上昇、高級化路線ジワリ


 ビデオ編集ソフトの価格推移を見ると、07年2月は税別平均価格(以下同)7913円だったのが08年1月には8925円と、この1年で1000円程度アップ。また、価格帯別販売本数シェアの推移では、以前は40%前後で最も多かった5000円未満クラスに代わって、5000円以上1万円未満のクラスが30%台後半まで伸びてトップになった。07年後半以降、全体の販売金額では前年比で微増のレベルを維持しており、やや高めの製品が市場を支えているようだ。

 価格が高めにシフトしているのは、機能優先で製品を選ぶ傾向が強まっていることが背景にあるようだ。店頭でも「少し高い製品の方がそれだけ多くの編集機能が付く」(大手家電量販店店員)お得感に加え、「『アドビ』『コーレル』など、メーカーブランドで選ぶ人もいる」(同)という声が聞かれた。

●コーレルが販売本数・金額ベースでともに1位


 メーカー別の販売本数シェアでは、07年末以降、コーレルとソースネクストの2社が20%前後で1・2位を争う大接戦。さらに、07年12月に新バージョンを発売したNeroが3位に浮上してきた。一方、販売金額シェアでは、コーレルが20%前半を維持して1位。その後、2位のアップルが10%台半ば、3位以降はアドビ、Nero、ペガシスが10%前後。本数と金額、いずれもトップを走るのはコーレルだ。


 それでは直近の売れ筋ソフトを見てみよう。2月第3週(2月18-24日)販売本数シェアトップ10は、Neroの「Nero8 通常版」が4.8%で1位。高い圧縮率でハイビジョンを記録できるAVCHD対応のビデオカメラで撮影した映像に加え、写真や音楽なども1本で編集・管理できるオールラウンドな機能が人気を呼んでいる。コーレルの「Ulead VideoStudio 11 通常版」は4%で4位。こちらもAVCHD対応の映像を編集できるほか、テロップで撮影日を挿入することも可能だ。

 このところ、デジタルビデオカメラの記憶媒体が大きく変化している。HDDやDVD、メモリカードなどに記録する製品は1月の販売台数シェアで86%に達し、今や当たり前の存在。テープ全盛の頃に比べ映像データが格段に扱いやすくなった。PC上で個人が手軽に動画編集ができる環境がいよいよ整ってきたわけだ。「ビデオカメラ付属のソフトは使いにくい」といったユーザーの声も聞かれる中、ハイビジョン映像を簡単に手早く編集できるソフトのニーズは、これから高まっていきそうだ。(BCN・井上真希子)



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