最新版が出揃った セキュリティソフト選びはココがポイント

特集

2007/11/07 20:32

 PCのセキュリティを脅かすコンピュータ・ウイルスやスパイウエアは、日増しに悪質化・巧妙化している。フィッシング(インターネット上の詐欺)や、個人情報を盗み出して悪用するネット犯罪も急増。セキュリティソフトは、快適なPCライフに欠かせない存在になっている。最新版の機能を知り、自分のPCライフに合った製品を選択しよう。

不正プログラム・不正アクセスの種類はこんなにある!

 ブロードバンドの常時接続が一般的になったいま、セキュリティソフトは必須アイテム。今年1月発売の新しいOSであるWindows Vistaは、セキュリティ機能が向上したとはいえ、スパイウエア対策とファイアウォール、迷惑メールブロックなど機能は限られている。

 また、PCやネットワークに詳しくないユーザーにとっては、セキュリティ対策はとても複雑でわかりにくいものだ。新たな種類の脅威が登場すれば、その対策機能を追加するイタチゴッコで、セキュリティ対策はますます複雑化する。そこで、セキュリティソフトを知る前に、まずは不正プログラム・不正アクセスにはどんな種類があるかを確認しておこう。

■コンピュータ・ウイルス
最もポピュラーな不正プログラム。PCが動かなくなったり、見たことのない表示が出現したりなど被害はさまざま。セキュリティホールと呼ばれるOSの欠陥を突くプログラムで、セキュリティパッチを更新するか、セキュリティソフトのプログラムを更新して防ぐ必要がある。新しいウイルスに対応するスピードも重要だ。最近では、インターネットを通じてPCをコントロールし、個人情報を流出させる「ボット」と呼ばれるウイルスが急増している。

■スパイウエア
インターネットを通じてユーザーが気づかないうちにに勝手にPCに侵入する。ウイルス同様に被害はさまざまだが、個人情報を盗まれるケースが多い。「ルートキット」と呼ばれる検出・駆除が困難なものがあり、リアルタイムの検索・駆除が必要だ。

■不正アクセス
セキュリティホールなどから悪意ある第三者がPCに不正侵入し、個人情報を盗んだりウイルスを侵入させたりする。アクセスを常に監視するファイアウォール機能でブロックする。

■フィッシング
金融機関などを装った偽サイトに誘導。暗証番号などの重要な情報の入力を促して盗み出し金銭をだましとる。防御策としては、アクセス先が正規なサイトかどうかをチェックする機能が有効。

■迷惑・詐欺メール
「スパム」と呼ばれる迷惑メールや、フィッシング詐欺の窓口となる詐欺メール。メールの自動振り分け機能を判別する機能で、迷惑・詐欺メールかどうかを判断する手法が効果的。

 こうしたPCへの危険や脅威に対して、個別に対応する単機能の対策ソフトがある。機能の充実度や利用料金などでさまざまだが、数百種類は存在する。ただ、単機能ソフトの導入は、あくまでPCやプログラムの知識が豊富なハードユーザーだからこそできる対策。一般ユーザーには、「総合セキュリティ対策ソフト」の導入がオススメだ。ウイルス対策、ファイアウォール、スパイウエア対策などのセキュリティを確保するために必要な機能をすべて搭載し、インストールするだけであらゆる種類の脅威から守ってくれる。しかも、面倒な設定は一切不要。ほぼ自動で高いセキュリティレベルを維持できる。

総合セキュリティ対策ソフトなら簡単・安心!

 毎年9月?10月はセキュリティソフトメーカーが自慢の新機能を盛り込んだ新版を発売する時期。店頭には今年の新版がすでに揃っている。シマンテックの「ノートン・インターネットセキュリティ2008」は、ログイン情報やパスワードの漏えいを防ぐ機能や、ホームネットワークセキュリティの監視機能を新たに搭載し、さらに強固なセキュリティを実現している。デスクトップに常に表示されるアイコンで、セキュリティ状態をひと目でチェックできるのも便利だ。前版よりも動作速度を向上させ、「動作が重くなった」と感じることが減った。

 トレンドマイクロの「ウイルスバスター2008」は、URLをクリックするだけでウイルスやスパイウエアに感染するWebサイトからの脅威に対し、独自の3段階プロテクションで対抗。わかりやすいメニュー画面で、PC初心者にも簡単に扱えるソフトとして定評がある。シマンテックと同様に、前版よりも動作速度を向上させたのも特徴だ。



 また、マカフィーの「マカフィー インターネットセキュリティスイート with サイトアドバイザ」は、セキュリティ機能に加えPCクリーンアップやデータのバックアップ・復元などのメンテナンス機能を備える。一方、ウイルス検知率や新種ウイルスへの対応スピードに優れたジャストシステムの「カスペルスキー インターネット セキュリティ7.0」は、海外の企業や政府機関から評価が高く、その信頼性の高さでセキュリティソフトに詳しいユーザーから多くの支持を集めている。このほかにも、購入後の更新費用が一切いらないソースネクストの「ウイルスセキュリティZERO 新パッケージ版」などがある。



利用可能な台数や有効期間の違いをチェック!

 最近では、1つのライセンス(製品)で3台のPCに使えるモデルがある。家族で数台のPCを使っている場合に便利だ。複数台のPCで利用することを想定し、ネットワークの監視機能を強化したソフトもあるので、複数台で使うユーザーは、購入時にチェックしよう。

 また、ライセンスの有効期間が異なる場合もある。有効期間は1年が一般的だが、2年間、3年間まで有効期限を延長したパッケージがあり、長期利用する場合は割安になる。同じソフトでも、このように利用可能なPC台数や有効期間で数種類のパッケージが存在するので、確認してから購入しよう。

個別の脅威に対応する専用ソフト

 前述の個別の不正プログラム・アクセスに対抗する専用ソフトを紹介しておこう。キヤノンシステムソリューションズの「NOD32アンチウイルス」は、「ヒューリスティック」と呼ばれる独自のウイルス・スパイウエア検出・駆除技術による高い検出率が武器で、ウイルス対策専門ソフトとして人気が高い。米防総省も採用する日本CAのスパイウエア対策ソフト「CA アンチスパイウエア2008」は、動作の軽さとスパイウエアを見つけ出す検出技術が評価され、セキュリティに詳しいユーザーに多く支持されている。

 ネット詐欺やクレジットカード番号の漏えいによる金銭被害など、悪質でしかも巧妙なネット犯罪が増えているだけに、可能な限り強固なセキュリティ対策を確保したい。そのためにセキュリティソフトの導入は必須。自分のPC環境に合った最適なソフトを選び、導入・ライセンスの更新も忘れず実行して、高いセキュリティをキープしよう。