シャープ、最薄部20mm、コントラスト比10万:1の新パネル搭載試作テレビ公開

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2007/08/23 10:44

 シャープは8月22日、高画質や薄型化、低消費電力などで新技術を取り入れた52V型の次世代液晶テレビの試作機を、報道関係者に公開した。


 最薄部は20mm、コントラスト比はシャープの最上位モデルに比べ30倍以上の100000:1、年間消費電力は従来の液晶テレビに比べ半分の140kWh/年を実現。そのほかのスペックは、NTSC比は150%で、従来液晶パネルに比べ60%高めた。応答速度は4msec(ミリ/秒)で、輝度は500cd/m2。重さは25kg。

 商品化時期と価格、具体的な技術情報は明言を避けたが、「大阪府堺市に設立する新工場の稼働時期である2010年3月までには量産できるようにしたい」(片山幹雄社長)という。ただ、今回公開した新技術は、「組み込めるものは順次新製品に導入していく」と片山社長は説明している。

 片山社長は「画質と薄さ、環境性能すべての面で、新パネルが(液晶テレビの中で)一番の性能。ほかのパネルとケタが違う近未来の液晶テレビ」と絶対的な自信を示した。有機ELとの比較についても「現段階で新パネルが一番」と勝っていることを強調した。



 水嶋繁光・取締役ディスプレイ技術開発本部長も、「新パネルはバックライトや偏光板、カラーパネルといったさまざまな最新技術の結晶。1970年代から液晶パネルを研究してきたシャープだからこそ実現できた。しかし、これはあくまで通過点。さらに技術革新を進める」と強気の姿勢を示した。

 記者会見場では、試作機の薄さを生かした設置・利用シーンを披露。「壁掛け」「屏風」「借景」「ポップアップ」「坪庭」で設置した生活空間を紹介した。

 



シャープ=http://www.sharp.co.jp/


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