失敗しない「薄型大画面テレビ」の選び方

特集

2007/07/07 15:05

地上デジタル放送(地デジ)の視聴エリアは、昨年末で全国80%以上をカバーした。現在店頭に並ぶテレビのほとんどは地デジのハイビジョン映像に対応し、価格もこなれてきている。いまがまさにテレビの買いどきだ。

=本記事は2007年7月時点の内容です。最新の内容の記事はこちら

液晶かプラズマか――「どこで」「何を」見るかで選ぶ

 現在のテレビの主流は、液晶とプラズマだ。同じ薄型パネルで、外見からでは区別がつきにくい。店頭で実際に画面を見比べても、どちらを選んだらいいのか迷う方も多いだろう。液晶か、プラズマか――それは「どこで」「何を」見るかで決まってくる。

まずは、自分の視聴環境をチェックしよう。液晶テレビは、明るくメリハリのある映像が特徴。照明が強いリビングや日が差す窓際など、明るい場所で見ると映像がきれいだ。

一方、プラズマテレビは暗い部屋で鮮明に表示する。逆に部屋が明るいと、画面に映り込みが発生することもある。視野角が広く、大きな部屋に置くのに適している。

 次にポイントになるのは、どのようなコンテンツを視聴するかだ。液晶テレビの明るい映像は、テレビ番組を見るのに適している。スポーツ番組などの動きが速い映像を映すと残像が出るといわれているが、最近の高速液晶技術を備えたモデルなら、残像を抑えて動きは滑らかだ。

プラズマテレビは、動きが速い映像に強く、残像が少ない。また、引き締まった黒を表現するので、暗いシーンが多い映画を楽しむのにピッタリだ。基本的には、ふだんリビングでテレビ番組を楽しむのなら液晶テレビ、ホームシアターのように部屋を暗くして映画を楽しむことが多いならプラズマテレビを選ぼう。

より大きな画面で迫力ある映像を――サイズは視聴距離で選ぶ

 テレビの大画面化が進んでいるが、実際に自宅のリビングに置くことを考えると、何インチにすればいいか、迷ってしまうもの。薄型テレビの最適な視聴距離は、画面の高さの約3倍が目安。42V型(高さ約53cm)なら、約1.6m。6畳の部屋でも問題なく視聴できる距離だ。

ブラウン管テレビから買い換える場合、同じ型では縦横比の関係で画面の高さが低くなり、全体的に小さくなったように感じる。サイズアップを実感したいなら、10インチ以上大きなサイズのモデルを選ぼう。いまのテレビは薄いぶん、ブラウン管テレビと同じ場所に10インチ以上大きなサイズのモデルを置くことができるのだ。大画面の迫力は、一度味わうとやみつきになる。

フルHD対応や録画にも注目――性能・機能で選ぶ
 現在販売中のテレビのほとんどは、ハイビジョンに対応している。だが、ハイビジョンの画質を忠実に再現するには、パネルが縦1080×横1920の画素数をもつフルハイビジョン(フルHD)に対応していなければならない。フルHDかそうでないかの違いは、大画面になるほど、はっきりする。ハイビジョンの魅力を存分に堪能したいなら、フルHD対応のモデルを選ぼう。

 ただし、自分が快適に思う画質は、人それぞれだ。パネルの性能だけでは決まらない。同じフルHD画質でも、コントラスト比や色合い、明るさなどが機種によって異なる。特にメーカー各社が技術を競う画像処理回路の“味付け”は、各社各様だ。スペックをきちんと押さえたうえで、店頭で実際の映像を見て、好ましい「自分画質」を選ぼう。

HDD/DVDレコーダーやゲーム機、ビデオカメラなどの外部機器をつなぐ接続端子もチェックポイント。テレビに接続する機器が多いなら、端子の数が多いモデルを選んだほうがいいし、種類もチェックしておいたほうがいい。

注目は、1本のケーブルで映像や音声を伝送するHDMI端子だ。データをデジタルのままやりとりするので、映像が劣化しない。機種によっては、同じメーカーのレコーダーやサラウンドシステムとHDMI接続すれば、テレビのリモコンで外部機器を操作できるリンク機能を備えている。リンク機能に対応したHDD/DVDレコーダーを持っているなら、同じメーカーのテレビを選ぶという手もある。

 HDDを内蔵したテレビなら、番組の視聴中にリモコン一つですぐに録画できるので便利だ。HDDを交換・追加できる機種も登場している。HDD/DVDレコーダーを置くスペースがない人、DVDに残しておくことがない人は、HDD内蔵も選択肢に入る。