米IBMは米時間で5月16日、リニア方式磁気テープの実証試験において、従来の15倍以上となる1平方インチ当たり66億7000万ビットの記録密度を達成し、世界記録を樹立したと発表した。

 富士写真フイルム(古森重隆社長)と共同で、新しい高密度デュアルコート微粒子磁気テープである「NANOCUBICテープ」の次世代バージョンを2年間にわたり開発。新しいバリウムフェライト磁性体を使用することで、コストをかけずに高密度でデータを記録できるようにした。

 また、ハードディスクドライブで極小の磁場を検出するために使用されている高感度GMR(giant-magnetoresistive)ヘッドの材料と構造を磁気テープ技術でも初めて採用し、より感度の高い読み書きヘッドを実現。さらに、新しいGMRサーボリーダーや読み取りデータチャネルの信号処理アルゴリズムを採用したほか、テープハンドリング機能の改良も行った。

 これらの新技術やテープは、およそ5年以内に製品化される見通し。これによって、業界標準のLTO(Linear Tape-Open)テープカートリッジと同じサイズのカートリッジに、8テラバイトの非圧縮データを格納できるようになる。このデータ量は、今日のLTO-3カートリッジの容量の20倍で、書籍800万冊分のテキストに相当する。

 同社では、今回の実証試験について、最も古く最も手頃なデータストレージ技術である磁気テープが進歩を続け、コストメリットが他のテクノロジーを凌駕し続けることを示す成果であるとともに、今後も、手頃で堅牢なデータストレージに対するユーザーニーズに対応し、テープ製品の改良を続けていく姿勢を示すものだとしている。