三菱電機(野間口有執行役社長)と三菱電機ビルテクノサービス(岡部季生社長)は12月20日、地震によるエレベーターの損傷を自動で診断・復旧する技術を、国内で始めて共同開発したと発表した。遠隔管理システムへの搭載や実機検証などを実施し、三菱電機ビルテクノサービスのエレベーター保守メニューのひとつとして、06年10月からのサービス開始を目指す。

 地震発生時には、地震時管制運転によってエレベーターを停止。その後、エレベーターは、機器に大きな損傷がないこと(200Gal未満)、かご内に利用者がいないことを自動的に検出し、ロープ・安全装置などの機器やシステムの異常の有無を自動で診断、自動診断運転を行う。上下走行距離30m(10階程度)以下のエレベーターに適用できる。

 自動診断運転では、ドア装置や調速機などの安全回路信号をチェックした後、主ロープ、調速機ロープ、制御ケーブル、つり合いおもりなどの可動部分と昇降路内機器との干渉チェックや、終点スイッチ、着床装置、ドア装置の異常有無の診断を実施。自動診断運転で異常がないと診断した場合は、運転休止から30分程度で自動的に仮復旧。その後、エンジニアによる安全の再確認を行い、本復旧する。

 三菱電機ビルテクノサービスでは、これまで、エレベーターの自己診断技術、動体画像解析技術や遠隔点検のノウハウを蓄積するとともに、過去の地震による物損事例などを解析。また、04年からは両社で、遠隔点検・診断技術を応用し地震時の復旧技術の開発に取り組んできた。

 今回の技術は、国土交通省・社会資本整備審議会建築分科会の建築物等事故・災害対策部会において審議された「エレベーターの地震防災対策に関する対応方針(案)」のなかで示された「エレベーター昇降路内の状況を自動診断し二次災害の危険性がない場合に仮復旧させるシステム」を早期に実現するもの。