オリンパス(菊川剛社長)は、イギリスの科学技術研究機関キネティックQinetiQ(キネティック、Sir John Chisholm、Chief Executive)に、水素燃料電池に使用する次世代の水素エネルギー技術に関する研究を委託する。将来のユビキタス環境で必須となる民生携帯機器用の小型、高出力、長時間駆動を可能にする水素燃料電池の実用化を目指す。

 同研究委託によりキネティックは、水素含有率が20%と高くエネルギー効率の良いアンモニアボラン(固形材料)を使った小型水素発生器の試作機を2008年に完成させる。その後、オリンパスは同社未来創造研究所が目指すセンサーネットワークシステムやユビキタスシステムをはじめ、その他さまざまな民生携帯機器への適用に向けた水素燃料電池の研究を行う。

 携帯電話やパソコン、デジタルカメラなど民生携帯機器に使われる燃料電池において、世界的には主にダイレクト・メタノール型燃料電池の開発が進められているが、実用化には多くの課題がある。しかし、アンモニアボランを燃料とする燃料電池は、小型、高出力(10W以内)を実現し、4G次世代携帯電話などのピーク電力変動の大きい機器でも安定して長時間駆動することが期待できる。キネティックの技術は、約20%を水素で構成するアンモニアボランを固形材料に使う。この材料を小粒に加工した燃料を交換式カートリッジに入れておけば、そのカートリッジを差し替えるだけで瞬時に燃料補給が可能となる。