日本AMD(ディビット・M・ユーゼ社長)は6月30日、インテルに対する損害賠償請求訴訟を東京高等裁判所および東京地方裁判所に提起した。同社は賠償金として総額5500万米ドル(約60億円)を請求する。同社は都内で記者会見を開催。吉沢俊介取締役は、「危惧しているのは、インテルが独占的な地位を濫用して競争を阻害するのは由々しき問題」と述べた。

 東京高等裁判所に提起した訴訟は、今年3月8日に公正取引委員会が行った排除勧告で認定されたインテルの独占禁止法違反行為による損害賠償を請求するもの。公正取引委員会は、インテルがNECと富士通、東芝、ソニー、日立の国内パソコンメーカー5社にAMD製プロセッサを購入しないことなどを条件に多額の資金を提供、AMDの取引を妨害していたことを認定した。同訴訟は、インテルが排除勧告に対して「応諾」争わない姿勢を示したことから提起されたという。

 東京地方裁判所に提起した訴訟は、独占禁止法違反行為に加えて取引・営業妨害行為から生じた損害も請求するもの。訴状には、(1)国内パソコンメーカーに対して資金提供などを条件にパソコンの製品カタログやウェブサイトからAMD製プロセッサを搭載したモデルを削除するように指示した、(2)AMDの製品発表会に参加を予定していた顧客に圧力をかけ、参加を辞退させた、(3)AMDと顧客の共同プロモーション・イベント用に製造されたAMD製プロセッサの新製品を搭載したパソコンをイベント直前にずべて買い取り、インテル製プロセッサを搭載したパソコンに入れ替えさせた。その際、インテル製プロセッサ搭載パソコンは無償で提供、さらに宣伝費用を支給するなどを行った――などが記載されている。

 なお、6月28日には、米AMD(ヘクター・ルイズ会長兼CEO)がインテルを米独占禁止法違反で提訴したばかり。