iPod shuffleで勢力地図一変、携帯オーディオのUSBタイプがHDDを逆転?

特集

2005/02/01 23:24

 アップルコンピュータが、iPodシリーズの新しい刺客として投入した「iPod shuffle」が、デジタルオーディオプレーヤーの勢力地図に大きな変化をもたらしている。図は、04年10月4日から05年1月24日までの、オーディオプレーヤーのタイプ別構成比をグラフ化したものだ。これを見ると昨年10月頃にはHDDタイプが60%近い比重を占め、USBメモリタイプやシリコンメモリタイプは、まだまだマイナーな存在だった。

 アップルコンピュータが、iPodシリーズの新しい刺客として投入した「iPod shuffle」が、デジタルオーディオプレーヤーの勢力地図に大きな変化をもたらしている。

 は、04年10月4日から05年1月24日までの、オーディオプレーヤーのタイプ別構成比をグラフ化したものだ。これを見ると昨年10月頃にはHDDタイプが60%近い比重を占め、USBメモリタイプやシリコンメモリタイプは、まだまだマイナーな存在だった。


 ところが、昨年12月中旬から、HDDタイプの売り上げが徐々に落ち込み始める。アップルがUSBメモリタイプのiPodを準備している、というウワサが流れ出したのがまさにこの時期。それに対するアップルファンの買い控え現象と考えてよいだろう。言ってみれば、良くも悪くもiPodはHDDタイプの売り上げを引っ張るけん引役だったわけだ。

 さて、「iPod shuffle」が発売されたのは1月15日。発売後すぐに完売、というすさまじい勢いを見せたことは、記憶に新しい。この前後から、タイプ別の構成比グラフにも劇的な変化が生じ始めた。なんと、USBタイプが圧倒的に構成比の大きかったHDDタイプに迫り、ほぼ同じ比率にまで急伸してきたからだ。デジタルオーディオプレーヤーといえば、HDDタイプが主流というこれまでの勢力地図が、わずかひと月足らずで塗り変わったことになる。「iPod shuffle」を擁するアップルコンピュータは、1社で市場の構成比すら変動させる力をもつわけで、この分野での影響力は、相変わらず絶大だ。

◆USBタイプや小容量HDDタイプが今後のトレンドか?

 さて、市場構成比を逆転するほどの大ヒットとなったiPod shuffleだが、これがこのまま浸透するのかどうか。HDDタイプのiPodは、「大容量のHDDでPCの音楽ライブラリをそのまま持ち歩く」という革命的なオーディオライフスタイルを提唱し、それを定着させた。他社製品が次々に追従したこと、そして市場規模も拡大する一途であることを考えれば、HDDタイプがこのまま縮小に向かうことはないだろう。

 ただし、現在の売り上げ上位を占めるのは5?20GBの比較的中容量のローエンドからミドルモデル。価格的がやや高いこともあって、40GBモデルは各社ともに厳しい状況にある。収録する曲数にしても、すでに現在の20GBタイプで十分というユーザーが多い。こうした状況からすると、HDDタイプがこれ以上大容量化の方向に向かうとは考えにくい。

 逆に、シリコンメモリタイプやUSBタイプでは、ちょっと前までは考えられなかった容量の製品が増えている。その代表選手が1GBを搭載する「iPod shuffle」だ。「記録容量は、もうそのくらいで十分」というユーザーの声が、「iPod shuffle」への大きな追い風になっている。

 販売店によれば、「iPod shuffle」の購入者は、すでにHDDタイプの「iPod」を所有しているユーザーが案外多いという。用途やその日の気分に合わせて、大容量のHDDタイプと軽いUSBタイプを使い分けようというわけだ。

 それほど音楽ライブラリにこだわらなければ、シリコンメモリ/USBタイプだけで十分というライトユーザーも少なくないはず。とすれば、おしゃれでコンパクト、しかも大容量メモリを搭載して使い勝手のよいシリコンメモリ/USBタイプが、市場規模を拡大していくことは間違いなさそうだ。(フリージャーナリスト・竹内亮介)