2026.10.30 15:30
豆知識感震ブレーカーで通電火災を防ぐ! 種類や選び方、取り付け方法をわかりやすく解説
大きな地震のあとに起こる火災の中には、家電や配線など電気が原因となるものが少なくありません。こうした電気火災への備えとして、近年注目されているのが「感震ブレーカー」です。
とはいえ、「名前は聞いたことがあるけれど、どんな仕組みなの?」「種類が多くて、どれを選べばいいのかわからない」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
感震ブレーカーは種類によって、電気を止める範囲や工事の有無、費用が大きく異なります。自宅の分電盤や暮らし方に合わないものを選ぶと、いざというときに十分な効果を発揮できない場合もあります。そこで本記事では、感震ブレーカーの仕組みやメリットをはじめ、種類ごとの特徴、選び方、おすすめ製品、自治体の補助制度までわかりやすく解説します。
地震による火災への備えを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
感震ブレーカーとは、地震の揺れを感知すると自動的に電気を止める装置のことです。
大きな地震では、倒れた電気ストーブに可燃物が触れたり、傷んだ配線がショートしたりして、火災につながるケースがあります。特に、停電から電気が復旧したタイミングで発生する「通電火災」は、住人が避難して不在の間に起こりやすい点が特徴です。
実際、内閣府の資料によると、出火原因が確認された火災のうち、電気に起因するものは阪神・淡路大震災で約6割、東日本大震災では約6割強を占めていました。
感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知した時点で家全体、または特定のコンセントの電気を自動で止めます。そのため、地震のあとに電気が復旧しても、危険な状態の家電や配線に電気が流れるのを防ぎやすくなります。
参考:大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会報告書の概要|内閣府
感震ブレーカーの大きなメリットは、自分でブレーカーを切れない状況でも、通電火災のリスクを抑えられることです。地震の直後は、身の安全を確保するだけで精一杯になりがちです。分電盤が高い位置にあったり、停電で室内が暗かったりすると、避難前にブレーカーを切る余裕がない場合もあるでしょう。
その点、感震ブレーカーを設置しておけば、揺れを感知した時点で自動的に電気が止まるため、「ブレーカーを切り忘れたかもしれない」と避難先で心配する必要がありません。外出中や就寝中に地震が起きた場合でも作動する点は、大きな安心材料といえるでしょう。
感震ブレーカーには、大きく分けて4つの種類があります。ここからは、それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
分電盤タイプは、感震機能を内蔵した分電盤を設置するタイプです。分電盤に組み込まれたセンサーが揺れを感知し、家全体の電気をまとめて止めます。製品によっては、揺れを感知してから電気を止めるまでに約3分間の猶予が設けられています。夜間に地震が起きても、照明を使いながら避難しやすい点がメリットです。
一方で、分電盤ごと交換するため電気工事が必要になり、費用の目安は約5万~8万円と、ほかのタイプより高くなります。新築やリフォームのタイミングで導入を検討するとよいでしょう。
分電盤外付けタイプは、今使っている分電盤に感震機能を後から追加するタイプです。揺れを感知すると、疑似的な漏電信号を出して既存の漏電ブレーカーを作動させ、家全体の電気を止めます。分電盤タイプと同じように、電気を止めるまでの時間的な猶予があるものも選べます。
ただし、漏電ブレーカーが設置されていることが前提です。分電盤に取り付ける電気工事が必要な製品が多いものの、アース付きのコンセントに差し込むだけで使える製品もあります。工事が必要な製品の場合、費用の目安は約2万~4万円で、分電盤を丸ごと交換するよりも費用を抑えやすいでしょう。
コンセントタイプは、センサーを内蔵したコンセントやアダプターが揺れを感知し、そこにつないだ電気製品だけの電気を止めるタイプです。電気ストーブなどの電熱器具だけを止め、照明や医療機器などへの電気は止めずに使い続けられる点がメリットです。差し込むだけで使える製品もあり、費用の目安は約5000円~2万円となっています。
一方で、家の中の配線そのものは保護できません。また、止めたい電気製品の数だけ設置する必要があるため、台数が増えると費用もかさみます。
簡易タイプは、おもりの落下やバネの力を利用して、分電盤のブレーカーのスイッチを物理的に切るタイプです。電気工事が不要で自分で取り付けられるうえ、費用の目安も約3000~4000円と手頃です。ホームセンターなどで手軽に購入できる点も魅力といえます。
ただし、揺れと同時にブレーカーが切れるため、夜間の避難に備えて懐中電灯などを別に用意しておく必要があります。また、分電盤の形状によっては取り付けられない場合もあるため、事前の確認が欠かせません。
感震ブレーカーの4つのタイプの主な違いは、次のとおりです。
費用が安い順に、簡易タイプ、コンセントタイプ、分電盤外付けタイプ、分電盤タイプとなります。
感震ブレーカーは、住まいの状況や使い方に合わせて選ぶことが大切です。ここからは、選ぶときに確認したいポイントを見ていきましょう。
まずは、家全体の電気を止めたいのか、特定の電気製品だけを止めたいのかを考えましょう。家の中の配線も含めて幅広く火災を防ぎたい場合は、家全体の電気を止める分電盤タイプや外付けタイプ、簡易タイプが向いています。
一方、在宅で医療機器を使っている家庭や、地震のときも照明を確保したい場合は、電熱器具だけを止められるコンセントタイプが適しているでしょう。
感震ブレーカーを選ぶときは、自宅に設置できるかどうかも確認しておきましょう。
分電盤タイプや外付けタイプは電気工事が必要になるため、賃貸住宅では大家さんや管理会社の許可が欠かせません。賃貸の場合は、工事が不要なコンセントタイプや簡易タイプから検討すると選びやすいでしょう。持ち家で工事が必要なタイプを選ぶ場合は、電気工事士の資格を持つ業者に依頼します。
なお、外付けタイプは漏電ブレーカーがあること、簡易タイプは分電盤の形状に合うことが設置の条件になります。
感震ブレーカーは、作動する揺れの大きさや感知の精度にも注目しましょう。
多くの製品は、震度5強相当の揺れで作動するように設計されています。ただし、築年数が長い住宅では建物自体が揺れやすく、近くの工事や大型車の通行による振動で作動してしまう可能性もあります。
不要な作動を防ぎたい場合は、国のガイドラインに準拠した製品など、感知の精度が高いものを選ぶと安心です。作動する震度を切り替えられる製品であれば、住まいの状況に合わせて調整することもできます。
感震ブレーカーが作動したあと、どのように電気を戻すのかも確認しておきたいポイントです。
地震の直後は気が動転していることも多いため、復旧の操作がわかりにくいと、必要なときに電気を使えなくなるおそれがあります。基本的には、室内の安全を確認したうえで、手動でブレーカーを戻す仕組みの製品がほとんどです。
購入前に、リセットボタンの位置や復旧の手順がシンプルかどうかを確認しておくとよいでしょう。また、電気が止まる前にブザーなどで知らせてくれる製品なら、家族全員が状況を把握しやすくなります。
ここでは、4つのタイプからそれぞれ1製品ずつ、おすすめの感震ブレーカーを紹介します。
パナソニックの「地震あんしん ばん」は、感震ブレーカーを搭載した分電盤タイプの製品です。震度5強以上の揺れを加速度センサーで感知すると、主幹ブレーカーを自動で遮断して家全体の電気を止めます。
特に、夜間の避難に備えて、揺れを感知してから3分間は電気を止めずに通電を続ける点が特徴です。避難経路の照明を確保できるため、暗い中で慌てずに行動しやすくなります。また、設定を変えれば揺れを感知した直後に電気を止めることも可能です。
なお、パナソニックでは今使っている分電盤に後付けできる感震ブレーカーも用意しています。分電盤をそのまま使いたい場合は、あわせて検討するとよいでしょう。
「新築やリフォームに合わせて、家全体の備えをしっかり整えたい」という方におすすめのシリーズといえるでしょう。
出典:感震ブレーカー搭載分電盤 地震あんしん ばん|パナソニック
大和電器の「震太郎(しんたろう)」は、今使っている分電盤の漏電ブレーカーを利用して、家全体の電気を止める外付けタイプの感震ブレーカーです。
大きな特徴は、アース付きのコンセントに差し込むだけで設置できる点です。分電盤に機器を取り付ける専門的な工事が不要なため、外付けタイプの中でも手軽に導入しやすいでしょう。
震度5強相当の揺れを検知すると、LEDの光とブザー音で知らせたうえで、3分後に主幹ブレーカーを遮断します。避難のための時間を確保しながら、家全体の電気を確実に止められる仕組みです。また、家屋の急な傾きを検知した場合は、待機せずにすぐ電気を止める機能も備えています。
ただし、対応しているのは定格感度電流30mA以下の高感度高速形の漏電ブレーカーで、設置にはアース付きのコンセントが必要です。購入前に、自宅の分電盤とコンセントを確認しておきましょう。
「工事をせずに、家全体の電気を止める備えを整えたい」という方におすすめのアイテムといえるでしょう。
出典:感震ブレーカー「震太郎」|大和電器
日本防災スキームの「coco断(ココダン)」は、コンセントに差し込んで使うコンセントタイプの感震ブレーカーです。震度5強相当の揺れを感知すると、本製品につないだ電気製品への電気だけを自動で止めます。工事は不要で、1台に3口まで、合計1500Wまでの電気製品を接続できます。
特に、電気ストーブやこたつなど、地震のときに止めておきたい電熱器具がはっきりしている家庭で役立つでしょう。ただし、延長コードや電源タップへの接続には使えない点に注意が必要です。
「賃貸住宅でも工事なしで、電熱器具の備えを手軽に始めたい」という方におすすめのアイテムといえるでしょう。
出典:コンセントタイプ感震ブレーカー coco断(ココダン) SND250GE|ケーズデンキ
リンテック21の「感震ブレーカーアダプター ヤモリ」は、分電盤のブレーカーに取り付けて使う簡易タイプの製品です。機械式のセンサーとバネの仕組みで揺れを感知し、ブレーカーのスイッチを下げて電気を止めます。電池や電源を使わないため、停電中でも作動する点が特徴です。
また、作動する震度を切り替えられるため、住まいの揺れやすさに合わせて設定できます。取り付けは接着式で、穴あけなどの工事も必要ありません。ただし、ふた付きの分電盤など取り付けスペースがない場合は、別売りの関連製品と組み合わせる必要があります。
「費用を抑えつつ、まずは手軽に家全体の対策を始めたい」という方におすすめのアイテムです。
出典:感震ブレーカーアダプター ヤモリ GV-SB1|リンテック21
感震ブレーカーを設置する際は、自治体の補助制度を活用できる場合があります。ここでは、首都直下地震と南海トラフ地震への備えが求められる地域から、2つの例を紹介します。
大田区では、木造住宅密集地域に住む世帯を対象に、感震ブレーカーの購入・設置費用の4分の3を、最大6万円まで補助しています。2026年度は、2026年4月1日から2027年2月28日までに購入・設置したものが対象です。
参考:感震ブレーカー設置支援事業|大田区
名古屋市では、分電盤タイプの感震ブレーカーの設置費用を助成しています。既存住宅の場合、主な木造住宅密集地域では費用の2分の1(上限4万円)、それ以外の地域では3分の1(上限2万6000円)が対象です。
補助の対象となる製品や申請期間は自治体ごとに異なるため、お住まいの地域の制度を事前に確認しておきましょう。
参考:感震ブレーカー設置助成(分電盤タイプ)|名古屋市
感震ブレーカーは、地震の揺れを感知して自動的に電気を止め、通電火災を防ぎやすくする装置です。外出中や就寝中、ブレーカーを切る余裕がないときでも作動するため、地震への備えとして心強い存在といえます。
種類は、分電盤タイプ、外付けタイプ、コンセントタイプ、簡易タイプの4つです。電気を止める範囲や工事の有無、費用が異なるため、住まいの状況に合わせて選ぶことが大切です。
また、自治体によっては設置費用の補助を受けられる場合もあります。本記事を参考に、自宅に合った感震ブレーカーを選んでみてください。
とはいえ、「名前は聞いたことがあるけれど、どんな仕組みなの?」「種類が多くて、どれを選べばいいのかわからない」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
感震ブレーカーは種類によって、電気を止める範囲や工事の有無、費用が大きく異なります。自宅の分電盤や暮らし方に合わないものを選ぶと、いざというときに十分な効果を発揮できない場合もあります。そこで本記事では、感震ブレーカーの仕組みやメリットをはじめ、種類ごとの特徴、選び方、おすすめ製品、自治体の補助制度までわかりやすく解説します。
地震による火災への備えを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
感震ブレーカーとは
感震ブレーカーとは、地震の揺れを感知すると自動的に電気を止める装置のことです。
大きな地震では、倒れた電気ストーブに可燃物が触れたり、傷んだ配線がショートしたりして、火災につながるケースがあります。特に、停電から電気が復旧したタイミングで発生する「通電火災」は、住人が避難して不在の間に起こりやすい点が特徴です。
実際、内閣府の資料によると、出火原因が確認された火災のうち、電気に起因するものは阪神・淡路大震災で約6割、東日本大震災では約6割強を占めていました。
感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知した時点で家全体、または特定のコンセントの電気を自動で止めます。そのため、地震のあとに電気が復旧しても、危険な状態の家電や配線に電気が流れるのを防ぎやすくなります。
参考:大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会報告書の概要|内閣府
感震ブレーカーのメリット
感震ブレーカーの大きなメリットは、自分でブレーカーを切れない状況でも、通電火災のリスクを抑えられることです。地震の直後は、身の安全を確保するだけで精一杯になりがちです。分電盤が高い位置にあったり、停電で室内が暗かったりすると、避難前にブレーカーを切る余裕がない場合もあるでしょう。
その点、感震ブレーカーを設置しておけば、揺れを感知した時点で自動的に電気が止まるため、「ブレーカーを切り忘れたかもしれない」と避難先で心配する必要がありません。外出中や就寝中に地震が起きた場合でも作動する点は、大きな安心材料といえるでしょう。
感震ブレーカーの種類
感震ブレーカーには、大きく分けて4つの種類があります。ここからは、それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
分電盤タイプ
分電盤タイプは、感震機能を内蔵した分電盤を設置するタイプです。分電盤に組み込まれたセンサーが揺れを感知し、家全体の電気をまとめて止めます。製品によっては、揺れを感知してから電気を止めるまでに約3分間の猶予が設けられています。夜間に地震が起きても、照明を使いながら避難しやすい点がメリットです。
一方で、分電盤ごと交換するため電気工事が必要になり、費用の目安は約5万~8万円と、ほかのタイプより高くなります。新築やリフォームのタイミングで導入を検討するとよいでしょう。
分電盤外付けタイプ(感震リレータイプ)
分電盤外付けタイプは、今使っている分電盤に感震機能を後から追加するタイプです。揺れを感知すると、疑似的な漏電信号を出して既存の漏電ブレーカーを作動させ、家全体の電気を止めます。分電盤タイプと同じように、電気を止めるまでの時間的な猶予があるものも選べます。
ただし、漏電ブレーカーが設置されていることが前提です。分電盤に取り付ける電気工事が必要な製品が多いものの、アース付きのコンセントに差し込むだけで使える製品もあります。工事が必要な製品の場合、費用の目安は約2万~4万円で、分電盤を丸ごと交換するよりも費用を抑えやすいでしょう。
コンセントタイプ
コンセントタイプは、センサーを内蔵したコンセントやアダプターが揺れを感知し、そこにつないだ電気製品だけの電気を止めるタイプです。電気ストーブなどの電熱器具だけを止め、照明や医療機器などへの電気は止めずに使い続けられる点がメリットです。差し込むだけで使える製品もあり、費用の目安は約5000円~2万円となっています。
一方で、家の中の配線そのものは保護できません。また、止めたい電気製品の数だけ設置する必要があるため、台数が増えると費用もかさみます。
簡易タイプ
簡易タイプは、おもりの落下やバネの力を利用して、分電盤のブレーカーのスイッチを物理的に切るタイプです。電気工事が不要で自分で取り付けられるうえ、費用の目安も約3000~4000円と手頃です。ホームセンターなどで手軽に購入できる点も魅力といえます。
ただし、揺れと同時にブレーカーが切れるため、夜間の避難に備えて懐中電灯などを別に用意しておく必要があります。また、分電盤の形状によっては取り付けられない場合もあるため、事前の確認が欠かせません。
タイプごとの比較
感震ブレーカーの4つのタイプの主な違いは、次のとおりです。
| タイプ | 電気を止める範囲 | 電気工事 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 分電盤タイプ | 家全体 | 必要 | 約5万~8万円 |
| 分電盤外付けタイプ | 家全体 | 製品による | 約2万~4万円 |
| コンセントタイプ | つないだ電気製品のみ | 製品による | 約5000円~2万円 |
| 簡易タイプ | 家全体 | 不要 | 約3000~4000円 |
費用が安い順に、簡易タイプ、コンセントタイプ、分電盤外付けタイプ、分電盤タイプとなります。
感震ブレーカーの選び方
感震ブレーカーは、住まいの状況や使い方に合わせて選ぶことが大切です。ここからは、選ぶときに確認したいポイントを見ていきましょう。
電気を遮断する範囲
まずは、家全体の電気を止めたいのか、特定の電気製品だけを止めたいのかを考えましょう。家の中の配線も含めて幅広く火災を防ぎたい場合は、家全体の電気を止める分電盤タイプや外付けタイプ、簡易タイプが向いています。
一方、在宅で医療機器を使っている家庭や、地震のときも照明を確保したい場合は、電熱器具だけを止められるコンセントタイプが適しているでしょう。
設置方法
感震ブレーカーを選ぶときは、自宅に設置できるかどうかも確認しておきましょう。
分電盤タイプや外付けタイプは電気工事が必要になるため、賃貸住宅では大家さんや管理会社の許可が欠かせません。賃貸の場合は、工事が不要なコンセントタイプや簡易タイプから検討すると選びやすいでしょう。持ち家で工事が必要なタイプを選ぶ場合は、電気工事士の資格を持つ業者に依頼します。
なお、外付けタイプは漏電ブレーカーがあること、簡易タイプは分電盤の形状に合うことが設置の条件になります。
地震を感知する条件
感震ブレーカーは、作動する揺れの大きさや感知の精度にも注目しましょう。
多くの製品は、震度5強相当の揺れで作動するように設計されています。ただし、築年数が長い住宅では建物自体が揺れやすく、近くの工事や大型車の通行による振動で作動してしまう可能性もあります。
不要な作動を防ぎたい場合は、国のガイドラインに準拠した製品など、感知の精度が高いものを選ぶと安心です。作動する震度を切り替えられる製品であれば、住まいの状況に合わせて調整することもできます。
停電・復電時の動作や操作のわかりやすさ
感震ブレーカーが作動したあと、どのように電気を戻すのかも確認しておきたいポイントです。
地震の直後は気が動転していることも多いため、復旧の操作がわかりにくいと、必要なときに電気を使えなくなるおそれがあります。基本的には、室内の安全を確認したうえで、手動でブレーカーを戻す仕組みの製品がほとんどです。
購入前に、リセットボタンの位置や復旧の手順がシンプルかどうかを確認しておくとよいでしょう。また、電気が止まる前にブザーなどで知らせてくれる製品なら、家族全員が状況を把握しやすくなります。
感震ブレーカーのおすすめ製品
ここでは、4つのタイプからそれぞれ1製品ずつ、おすすめの感震ブレーカーを紹介します。
地震あんしん ばん|パナソニック
パナソニックの「地震あんしん ばん」は、感震ブレーカーを搭載した分電盤タイプの製品です。震度5強以上の揺れを加速度センサーで感知すると、主幹ブレーカーを自動で遮断して家全体の電気を止めます。
特に、夜間の避難に備えて、揺れを感知してから3分間は電気を止めずに通電を続ける点が特徴です。避難経路の照明を確保できるため、暗い中で慌てずに行動しやすくなります。また、設定を変えれば揺れを感知した直後に電気を止めることも可能です。
なお、パナソニックでは今使っている分電盤に後付けできる感震ブレーカーも用意しています。分電盤をそのまま使いたい場合は、あわせて検討するとよいでしょう。
「新築やリフォームに合わせて、家全体の備えをしっかり整えたい」という方におすすめのシリーズといえるでしょう。
出典:感震ブレーカー搭載分電盤 地震あんしん ばん|パナソニック
感震ブレーカー 震太郎|大和電器
大和電器の「震太郎(しんたろう)」は、今使っている分電盤の漏電ブレーカーを利用して、家全体の電気を止める外付けタイプの感震ブレーカーです。
大きな特徴は、アース付きのコンセントに差し込むだけで設置できる点です。分電盤に機器を取り付ける専門的な工事が不要なため、外付けタイプの中でも手軽に導入しやすいでしょう。
震度5強相当の揺れを検知すると、LEDの光とブザー音で知らせたうえで、3分後に主幹ブレーカーを遮断します。避難のための時間を確保しながら、家全体の電気を確実に止められる仕組みです。また、家屋の急な傾きを検知した場合は、待機せずにすぐ電気を止める機能も備えています。
ただし、対応しているのは定格感度電流30mA以下の高感度高速形の漏電ブレーカーで、設置にはアース付きのコンセントが必要です。購入前に、自宅の分電盤とコンセントを確認しておきましょう。
「工事をせずに、家全体の電気を止める備えを整えたい」という方におすすめのアイテムといえるでしょう。
出典:感震ブレーカー「震太郎」|大和電器
coco断(ココダン)|日本防災スキーム
日本防災スキームの「coco断(ココダン)」は、コンセントに差し込んで使うコンセントタイプの感震ブレーカーです。震度5強相当の揺れを感知すると、本製品につないだ電気製品への電気だけを自動で止めます。工事は不要で、1台に3口まで、合計1500Wまでの電気製品を接続できます。
特に、電気ストーブやこたつなど、地震のときに止めておきたい電熱器具がはっきりしている家庭で役立つでしょう。ただし、延長コードや電源タップへの接続には使えない点に注意が必要です。
「賃貸住宅でも工事なしで、電熱器具の備えを手軽に始めたい」という方におすすめのアイテムといえるでしょう。
出典:コンセントタイプ感震ブレーカー coco断(ココダン) SND250GE|ケーズデンキ
感震ブレーカーアダプター ヤモリ GV-SB1|リンテック21
リンテック21の「感震ブレーカーアダプター ヤモリ」は、分電盤のブレーカーに取り付けて使う簡易タイプの製品です。機械式のセンサーとバネの仕組みで揺れを感知し、ブレーカーのスイッチを下げて電気を止めます。電池や電源を使わないため、停電中でも作動する点が特徴です。
また、作動する震度を切り替えられるため、住まいの揺れやすさに合わせて設定できます。取り付けは接着式で、穴あけなどの工事も必要ありません。ただし、ふた付きの分電盤など取り付けスペースがない場合は、別売りの関連製品と組み合わせる必要があります。
「費用を抑えつつ、まずは手軽に家全体の対策を始めたい」という方におすすめのアイテムです。
出典:感震ブレーカーアダプター ヤモリ GV-SB1|リンテック21
感震ブレーカーの設置助成
感震ブレーカーを設置する際は、自治体の補助制度を活用できる場合があります。ここでは、首都直下地震と南海トラフ地震への備えが求められる地域から、2つの例を紹介します。
東京都大田区
大田区では、木造住宅密集地域に住む世帯を対象に、感震ブレーカーの購入・設置費用の4分の3を、最大6万円まで補助しています。2026年度は、2026年4月1日から2027年2月28日までに購入・設置したものが対象です。
参考:感震ブレーカー設置支援事業|大田区
愛知県名古屋市
名古屋市では、分電盤タイプの感震ブレーカーの設置費用を助成しています。既存住宅の場合、主な木造住宅密集地域では費用の2分の1(上限4万円)、それ以外の地域では3分の1(上限2万6000円)が対象です。
補助の対象となる製品や申請期間は自治体ごとに異なるため、お住まいの地域の制度を事前に確認しておきましょう。
参考:感震ブレーカー設置助成(分電盤タイプ)|名古屋市
まとめ
感震ブレーカーは、地震の揺れを感知して自動的に電気を止め、通電火災を防ぎやすくする装置です。外出中や就寝中、ブレーカーを切る余裕がないときでも作動するため、地震への備えとして心強い存在といえます。
種類は、分電盤タイプ、外付けタイプ、コンセントタイプ、簡易タイプの4つです。電気を止める範囲や工事の有無、費用が異なるため、住まいの状況に合わせて選ぶことが大切です。
また、自治体によっては設置費用の補助を受けられる場合もあります。本記事を参考に、自宅に合った感震ブレーカーを選んでみてください。
※Amazonのアソシエイトとして、BCN+Rは適格販売により収入を得ています。
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