【最近気になる注目ワード・15】 漫画作品の実写化が決まると、原作ファンは常に期待と不安の2つの要素を抱えるもの。「原作の世界観を壊された」「キャラのイメージと違う」など、いざ作品が出来上がると、不満の声が多く聞こえるケースもある。今回は、原作ファンも納得の実写化作品を見ていこう。

原作ファンの期待を上回ることが実写化成功へのカギ

　原作を愛するからこそ、ファンの中には実写化を不安視する人も多く、ひとたび実写化されれば評価も一際厳しい。それだけハードルが高く、常に賛否両論を巻き起こす実写化作品だが、X上では「#原作ファンも納得の実写化作品教えて」というハッシュタグが流行している。

　ここ最近の実写化で話題となっている作品といえば、山崎賢人さん主演の「ゴールデンカムイ」だろう。SNSでは「実写化は面白くないというジンクスを打ち破った作品」「再現度高すぎてビビる」「原作の改変具合が丁度良すぎる」など、原作ファンから圧倒的な高評価の声が続出していた。

　他にも数々の実写化作品の名前が挙がっており、そのひとつが佐藤健さん主演の映画「るろうに剣心」シリーズだ。「佐藤健のアクションと藤原竜也の演技が素晴らしかった」「アクションシーンを実写化するのが難しい作品なのに、アクションで評価されたのは凄い」といった声が上がっている。

　さらに他の作品にも目を向けてみると、「ピンポン」「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」や「銀魂」もある。「ピンポンはあらゆる要素が最高のバランスでマッチしていた」「岸辺露伴の原作大好きだけど実写化も大満足だった」「ここまで銀魂を実写化できることに衝撃を受けた」など、原作ファンをも魅了している作品であることがうかがえる。

　体重の増減や肉体改造を含め、徹底した役作りで知られる鈴木亮平さん主演の「HK／変態仮面 アブノーマル・クライシス」も評価が高い。「普通に考えたら実写化不可能なのに、鈴木亮平さんの壮絶すぎるプロ根性にただただ脱帽する」といった声も上がるなど、実写化を懸念していたファンも納得するしかない仕上がりとなっている。

　実写化が成功するためには、原作への忠実さだけでなく独自性やキャスティング、音楽など複数の要素がピタリとハマる必要がある。そしてやはり一番忘れてはならないのが、原作への愛情だ。数々の高い壁をクリアし実写化に成功した作品は、多くの人が認める「名作」となる。最近ではそうした段階を経て成功した作品が多いだけに、見る側の目は肥えてハードルも高くなっている。その期待すら上回り、成功を収める実写化作品の「名作」が生まれることを期待したい。（フリーライター・井原亘）

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■Profile
井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている