ペットフードやペットケア用品、ペット生活用品など、新型コロナウイルス感染症の流行を背景としたペットブームによって拡大傾向を辿っているペット関連商品市場。2023年は落ち着きをみせているものの、まだまだ伸びることが予想されている。そんな中、ヨドバシカメラ(ヨドバシ)は19年比で3倍程度の販売と好調に推移。大手ペットショップやホームセンターなどと比べれば新しく市場に参入したものの、ペット関連商品メーカーとのパートナーシップ強化で新しい取り組みを進めている。ECを武器として、必要なときに必要な商品を迅速に届けるというユーザーニーズを追求しながら買いやすい環境を整えようとしている。
ヨドバシでは、ペット関連商品において「ヨドバシ・ドット・コム」での販売が9割以上とECがメイン。売れ筋はペットフードで、「リアル店舗がメインの他社では2~3kgの商品が売れていると聞いているが、当社では6~8kgなど、持ち帰るには重いと感じる商品が売れている」という。ペットフードの多くは賞味期限が1年。1カ月の消費量は2~3kgといわれていることから、6~8kgをまとめて購入しても賞味期限を超えることはない。まとめ買いであれば低コストという点で、ユーザーはヨドバシ・ドット・コムを利用しているようだ。
しかも、リピーターも多い。「日用品や食品&飲料など、お客様自身の商品を購入するついでにペット関連商品を購入している」と松舘部長は説明する。「配送無料」という点でも、必要なときに必要な商品を購入するケースも多いというわけだ。
このような市場環境に対して、ヨドバシでは「今後はお客様の不安を解消する高付加価値商品をアピールしていく」方針を示している。例えば、ペットフードに関しては「カロリー控えめ」「健康志向」「アレルギー対策」などがテーマの商品だ。「ペットの家族化に加えて高齢化が進んでいる中、安心・安全な素材を使用した嗜好性の高いペットフードの需要が増えるだろう。そのようなニーズに対応する」という。
高付加価値の商品を拡販するため、松舘部長は「パッケージだけをサイトで表示するだけでなく、分かりやすい説明文や動画などを取り入れるなど、コンテンツの充実を図る」としている。また、最近では「ふりかけなどの一品をペットフードに加えて飽きさせないようにする『トッパー商品』がはやりつつある。レシピの公開などで、お客様が安心してペットに食べさせることができるようにする」とのことだ。
新しい取り組みについて、松舘部長は「ペット関連メーカーとのパートナーシップが欠かせない」としている。ヨドバシによるペット関連商品の販売は伸びているとはいえ、「家電などに比べれば、まだまだ母数は小さい」と認めながらも「母数が小さいからこそ伸びしろが大きい。ペット関連業界で“新参者”だからこそ、さまざまなことに取り組んでいく」とビジネス拡大に余念がない。(BCN・佐相 彰彦)
20年・21年は前年比2倍
ヨドバシでペット関連商品を担当するホームインテリア事業部の松舘公将部長によれば、「20年と21年は前年比2倍で推移した。コロナによるペットブームに便乗できた」という。直近に関しては、「以前と比べれば落ち着いてはいるものの、堅調に伸びている状況。19年と比較すると、3倍程度の伸びを示している」としている。ヨドバシでは、ペット関連商品において「ヨドバシ・ドット・コム」での販売が9割以上とECがメイン。売れ筋はペットフードで、「リアル店舗がメインの他社では2~3kgの商品が売れていると聞いているが、当社では6~8kgなど、持ち帰るには重いと感じる商品が売れている」という。ペットフードの多くは賞味期限が1年。1カ月の消費量は2~3kgといわれていることから、6~8kgをまとめて購入しても賞味期限を超えることはない。まとめ買いであれば低コストという点で、ユーザーはヨドバシ・ドット・コムを利用しているようだ。
しかも、リピーターも多い。「日用品や食品&飲料など、お客様自身の商品を購入するついでにペット関連商品を購入している」と松舘部長は説明する。「配送無料」という点でも、必要なときに必要な商品を購入するケースも多いというわけだ。
不安を解消する高付加価値商品のアピールへ
調査会社の富士経済では、23年、ペットブームが落ち着きをみせているものの22年に続く商品の値上げの影響もあり、市場が前年比4.1%増の5802億円を見込んでいる。しかも、今後は価格重視のペットオーナー向けに買いやすい価格を訴求した商品が展開される一方で、高付加価値商品の需要がさらに高まることが予想されるという。このような市場環境に対して、ヨドバシでは「今後はお客様の不安を解消する高付加価値商品をアピールしていく」方針を示している。例えば、ペットフードに関しては「カロリー控えめ」「健康志向」「アレルギー対策」などがテーマの商品だ。「ペットの家族化に加えて高齢化が進んでいる中、安心・安全な素材を使用した嗜好性の高いペットフードの需要が増えるだろう。そのようなニーズに対応する」という。
高付加価値の商品を拡販するため、松舘部長は「パッケージだけをサイトで表示するだけでなく、分かりやすい説明文や動画などを取り入れるなど、コンテンツの充実を図る」としている。また、最近では「ふりかけなどの一品をペットフードに加えて飽きさせないようにする『トッパー商品』がはやりつつある。レシピの公開などで、お客様が安心してペットに食べさせることができるようにする」とのことだ。
新しい取り組みについて、松舘部長は「ペット関連メーカーとのパートナーシップが欠かせない」としている。ヨドバシによるペット関連商品の販売は伸びているとはいえ、「家電などに比べれば、まだまだ母数は小さい」と認めながらも「母数が小さいからこそ伸びしろが大きい。ペット関連業界で“新参者”だからこそ、さまざまなことに取り組んでいく」とビジネス拡大に余念がない。(BCN・佐相 彰彦)