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民生用電子機器の2023年7月国内出荷金額は前年同月比83.4%の886億円、前年割れは5カ月連続

データ

2023/08/28 19:00

 電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた民生用電子機器の2023年7月国内出荷実績が発表された。テレビに代表されるデジタル製品の需要低迷状態は続いており、出荷金額の前年同月比83.4%は22年6月以来の低い水準となった。

テレビの7月出荷台数は各サイズ帯とも
前年同月比80%台に
 

映像とオーディオは1月からの累計でも前年同期比80%台

 JEITAが集計している三つのカテゴリで、それぞれの国内出荷金額を見ると、テレビやブルーレイレコーダーなどの映像機器の国内出荷金額は420億円で前年同月比82.4%。アンプやスピーカー、ヘッドホンなどのオーディオ関連機器は53億円で同80.2%。カーオーディオやETC車載ユニットなどのカーAVC機器は414億円で同84.9%だった。

 三つのカテゴリを合わせた民生用機器合計の7月国内出荷金額は886億円で前年同月比は83.4%となり、80.7%だった22年6月以来の低いレベルとなった。7月の出荷金額が900億円を割ったのは少なくとも10年代以降はなく、メーカーにとっては厳しい状況が続いている。

 23年1~7月の累計は映像機器が前年同期比88.4%、オーディオ関連機器が同83.9%といずれも前年割れ。1~6月の累計では前年同期実績を上回っていたカーAVC機器も同98.1%と前年同期を下回った。民生用機器合計の1~7月累計は同92.8%となっている。
 
7月の国内出荷実績は映像、オーディオ、
カーAVCとも前年同月比80%台と低迷

50V型以上の出荷台数構成比は1月からの累計で38.8%

 7月の薄型テレビ全体の出荷台数は33万8000台で、前年同月比83.2%。1~7月累計でも前年同期比87.2%と2桁減が続いている。

 画面サイズ別で7月の動向を見ると、29V型以下は前年同月比82.3%で30~39V型は81.6%、40~49V型は82.5%だった。6月の出荷実績は前年プラスだった50V型以上も同84.6%とダウン。各サイズとも前年同月比80%台と停滞状況にある。
 
6月は前年実績プラスだった50V型以上の
7月実績は前同比80%台と落ち込んだ

 7月の薄型テレビのサイズ別出荷台数構成比を見ると、29V型が9.8%、30~39V型は18.9%、40~49V型は29.0%、50V型以上は42.3%となっている。
 
サイズ別出荷台数構成比は月によって変動しているが、
1年前の2022年7月と比べるとほぼ同じ構成比だ

 各サイズを1~7月の累計出荷台数構成比で算出すると、29V型以下は10.8%で、30~39V型は22.1%、40~49V型は28.3%、50V型以上は38.8%となっている。メーカー各社が注力する50V型の大画面テレビは、構成比としては4割以下で推移している。

ブルーレイレコーダーの1~7月累計出荷台数は前年同期比70.0%

 4K8Kチューナー搭載タイプの7月の出荷台数は20万7000台で前年同月比81.7%。1~7月の累計でも前年同期比86.9%と2桁減。出荷全体に対する同タイプの7月の台数構成比は61.2%で、1~7月の累計では57.2%となっている。
 
4K8Kチューナー搭載タイプは6月の出荷実績が
前年プラスだったが、7月は大きくダウン

 その他の7月出荷実績を見ると、ブルーレイレコーダーは6万3000台で前年同月比71.3%。1~7月累計では前年同期比70.0%で依然として回復の兆しが見られない状況だ。システムオーディオは6万7000台で同95.8%。ラジオ受信機は5万台で同84.1%。ステレオヘッドホンは32万9000台で同85.2%だった。

 冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの白物家電は出荷価格が上昇基調で推移している。デジタル家電の価格上昇は白物家電ほどではなく、価格上昇が現在の出荷状況低迷の要因とは考えにくい。となると、やはり現在の状況は消費者ニーズが変化してきたことの反映といえそうだ。
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