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50万円になった「出産育児一時金」 4月から支給額が約2割アップ!

時事ネタ

2023/04/18 17:30

 【家電コンサルのお得な話・123】 先日、娘と姪からほぼ同時期に「子どもを授かった」という嬉しい知らせが届いた。娘は2022年の出産に続き二人目で、妊娠中の過ごし方も経験しているが、姪は長年子宝に恵まれておらず初めての妊娠のため、喜びもひとしおながら不安も感じているという。こちらからすれば、二人とも「母子ともに健康で無事に出産する」ことを祈るばかりである。この妊娠報告を受けたのと時期を同じくし、「出産育児一時金」が増額となったのもありがたいことである。

「公的病院 都道府県別出産費用(2020年度)」(出典:厚生労働省)
 

「こども家庭庁」と「厚労省」の事業

 出産に関する代表的な事業といえば、「出産・子育て応援交付金」と「出産育児一時金」が挙げられる。「出産・子育て応援交付金」は、以前の当コラムで紹介したためここでは触れず、下記記事を参照してほしい。4月1日のこども家庭庁の発足に伴い、厚生労働省からこども家庭庁に移管された事業になる。

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 一方の「出産育児一時金」は、医療保険制度改革の事業であり、厚生労働省の所管である。事業内容は、「健康保険法等に基づく保険給付として、健康保険や国民健康保険などの被保険者またはその被扶養者が出産したとき、出産に要する経済的負担を軽減するため、一定の金額が支給される制度」となっている。

 その支給額については、2023年(令和5年)4月より、42万円から50万円に引き上げられた(注:妊娠週数が22週に達していないなど、産科医療補償制度の対象とならない出産の場合は48.8万円の支給額)。

 また、「直接支払制度」により、出産育児一時金が医療機関などに直接支払われるため、医療機関などの窓口で出産に掛かった費用を払う必要がなくなる(※:直接支払制度の取り扱いや手続き関係などは出産予定の医療機関等に要確認)。

 さらに出産費用が出産育児一時金の額を超えた場合、差額の支払いが生じるが、少なかった場合、その差額は被保険者等に支給される(要手続き)。
 

平均出産費用、最安は佐賀の35万円、最高は東京の55万円

 そこで気になるのが出産費用だ。平均出産費用(全施設)はここ10年、毎年平均で1.4%上昇しており、22年度(令和4年度)は48.0万円と推計されている。

 図1は「公的病院の都道府県別出産費用(厚生労働省:20年度(令和2年度))」で、東京都(55.3万円)と茨城県(51.5万円)以外は50万円あれば賄える数字となっている。最安は佐賀県の35.1万円だ。あくまで費用が安い公的病院の平均値ではあるが、目安にはなるだろう。

 少子化を克服していくには、まだまだ十分な支援とは言えないが、自己負担額の軽減は、出産を控えている方に安心感を提供できるだろう。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
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