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ミラーレス一眼でソニーがトップシェア奪還、人気商品の供給再開で

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2022/08/21 18:30

 デジカメのミラーレス一眼ソニーがトップシェアを奪還した。この7月、販売台数シェアで34.8%を記録。昨年10月以来9カ月ぶりでトップに返り咲いた。全国の家電量販店カメラ専門店、ネットショップの実売情報を集計するBCNランキングで明らかになった。

 ソニーの復調は製品供給の再開によるもの。デジカメ市場で久々の大ヒットを記録したVlogger向けカメラ「VLOGCAM ZV-E10」が6月24日に受注を再開。ロングセラーで根強い人気を維持する「α6400」が5月27日に同じく受注を再開したからだ。いずれのカメラも、部材不足による製造不調から昨年11月から12月にかけ、相次いで受注を停止していた。売れ筋商品受注停止の影響は絶大だった。昨年9月に41.8%もあったソニーのシェアは、この5月には15.0%と半分以下に激減。業界3位のOMデジタルソリューションズにも抜かれ、シェアは3位まで落ちていた。そこからの急回復だ。

 ソニー不在の間、市場全体も販売台数の大きな前年割れに苦しんだ。1月まではキヤノンやOMデジタルソリューションズがなんとかマイナス分をカバー。流通在庫によるソニー製品の販売もあって大幅な前年割れは回避できていた。しかし2月には70.4%とほぼ3割減の水準まで販売台数が縮小。3月も76.7%と大きな前年割れが続いていた。しかし5月には販売が114.2%と持ち直し、以降、前年比2桁増で推移している。

 製品別の販売台数シェアを見ると、ソニーのVLOGCAM ZV-E10の人気ぶりがよくわかる。発売月の昨年9月、シェアは19.8%でトップ。見事なスタートダッシュを決めた。しかし製造が追いつかず販売が伸び悩み、受注停止でさらにシェアが急減。この5月には0.3%と、ほぼゼロまでシェアを落とした。受注再開後の7月は、再び2桁シェアの13.1%まで垂直的に回復した。同様にα6400も7月現在で9.2%で3位につけ、ソニーのトップシェア奪還に大いに貢献した。7月の2位は10.8%のキヤノン EOS Kiss M2。ライバルの休戦時には一時22.0%と2割を超えるシェアを獲得、長らくトップを走っていた。ソニーの復帰で、さすがに押されてはいるものの、依然2桁シェアは維持できている。

 コロナ禍で大きな痛手を被ったカメラ市場だったが、外出制限の緩和に伴って市場回復の期待が高まっていた。しかし副作用ともいえる、部材不足が再び市場の不調を招いていた。サプライチェーンはまだまだ回復したとは言い難いが、徐々に復調は進んでいる。カメラ市場もようやくコロナ明けを迎えることになりそうだ。(BCN・道越一郎)