• ホーム
  • トレンド
  • 仏ル・マンから車で1時間の距離に、水車を巡る散歩道! サント・スザンヌ村

仏ル・マンから車で1時間の距離に、水車を巡る散歩道! サント・スザンヌ村

暮らし

2022/02/04 19:30

 【フランスの小さな村への招待状・2】 24時間耐久レースで有名なル・マンの街から、車で1時間ほど離れた場所に佇むこの村。緑豊かな平野が広がり、道中では馬とすれ違うこともあります。そんな牧歌的な雰囲気漂うこの地域を一望できる、小高い丘の上に築かれた集落がサント・スザンヌ村です。1000年近い歴史があり、かつてはフランス屈指の城塞としても名を馳せました。淡いピンク色を纏った石で造られた城壁が村を取り囲み、石畳が続く旧市街を散策すればまるで中世にタイムスリップしたかのような趣がありますよ。

水車を巡る散歩道! サント・スザンヌ村

【強固な守りのサント・スザンヌ城】

 二つの異なる顔を持つサント・スザンヌ城は、この村の象徴的な存在です。11世紀の主塔には、フランス北部を瞬く間に手に入れた征服王ウィリアムの侵略から最後まで守り抜いた、という歴史が残されています。その歴史は「美しき抵抗」を意味する「ベル・エ・ルベル」というキャッチフレーズと共に、今なお住民の間で語り継がれています。
 
教会前の中央広場:多くの地元客達で賑わうカフェ
やレストランなどが軒を連ねていて、テラス席で
味わう料理は一層美味しく感じました

 主塔の脇に佇む17世紀の城は小規模でありながらも、多くの人がヨーロッパの城としてまず思い浮かべる姿ではないでしょうか? この城を建てたギヨーム・フーケ・ド・ラ・ヴァレンヌはフランス国王アンリ4世の友人としても知られていて、優美なルネサンス様式から質素なクラシカル様式へと移り変わるこの時代の流行を強く反映しています。
 
サント・スザンヌ城:一時期は床が抜け落ち、入口から
屋根が直接見えたという時代もあったそうですが、
現在は見事にリノベーションされ民族資料館として
周辺地域の歴史などを紹介しています

【静かな時間流れる川沿いの散歩道】

 中世の街並みを見事に留める旧市街とは別に、ぜひとも訪れてみてほしい場所があります。それは15~19世紀にかけて使われていた水車が点在する、エルヴ川に沿って整備された散歩道です。柔らかく降り注ぐ陽の光が水面にキラキラと反射し、色とりどりの花々に彩られた散歩道は小さな村の魅力に溢れていて、筆者のお気に入りの場所でもあります。

 この辺りは昔多くの職人が暮らしていて、粉ひき小屋や製紙小屋などが建ち並ぶ集落だったそう。民家の下を流れる特徴的な水路や昔の共同洗濯場などが残り、かつての村の素朴な生活を垣間見ることができます。
 
水車を巡る散歩道:実はこの散歩道の整備に至った
背景には、こうした決して派手とは言えない文化財を
​​​​​​何とかして残していきたいと考えた​​​​​​住民の熱意が
あったのだそうです

 この村を訪れるには、パリからレンタカーを利用するのがお勧めです(車で約3時間)。高速道路の出口からすぐなので、意外と交通の便が良い場所に位置しています。日帰りで訪れることも十分可能ですが、お洒落なシャンブル・ドット(民宿)なども多いので、宿泊してゆったりと過ごすのもお勧めですよ。

 今回は「メーヌの真珠」とも謳われるサント・スザンヌ村の魅力をお伝えしましたが、いかがでしたか? 素朴で飾らないフランスの小さな村の魅力を引き続きご紹介させて頂きます。次回もお楽しみに。(文/写真・高津竜之介)

■Profile
高津竜之介
レンヌ第二大学非常勤講師(日本語)、NPO法人「日本で最も美しい村」連合 在フランス研究員、レンヌ第二大学博士課程/研究テーマ:社会的イノベーションと最も美しい村