• ホーム
  • トレンド
  • 「長尺トイレットペーパー」は家計に優しく、災害時の備えにも場所を取らない

「長尺トイレットペーパー」は家計に優しく、災害時の備えにも場所を取らない

販売戦略

2021/07/10 17:00

【家電コンサルのお得な話・50】 妻といつものショッピングセンターに行ったときのこと。2階の日用品コーナーのエンドにトイレットペーパーがいつも通り山積み展開されていた。ただ、違っていたのが並べられていた商品で、通常置かれている王子製紙のエリエールのシングルではなく、エリエールのイーナという「長さ2倍巻」の長尺トイレットペーパーだった。価格は少し高いが、トータル的にお得なイーナを購入することにした。

エリエールのシングルとイーナの比較

ブランドを変えにくいトイレットペーパー

 よく、トイレットペーパーは関西では「シングル」、関東では「ダブル」といわれるが、実際にエンドに並べられているのは筆者の肌感覚(住まいは関西)でもシングルが多い。

 この理由として「関西人の経済感覚」が挙げられることが多い。経済感覚というのはその通りかとも思うが、関西人はせっかちで、紙を使う回数や巻きとりのテンポが速い(カラカラカラカラ、サッサッというイメージ)ため、ダブルだと必要以上を使ってしまい、すぐになくなるからだと個人的に思っている。

 また、トイレットペーパーはブランドを変えにくい商品でもある。ホームセンターなどのPBでは、安価だが肌触りが悪く、紙もボロボロになるという酷いものもあり、失敗した経験を持つ方も多いのではないだろうか。

 筆者も先のショッピングセンターで、この長尺トイレットペーパーを見たときはブランドを変えるのに不安があったが、いつも購入しているエリエールだったため、とりあえず1パックを購入してみた。

交換頻度が少なく、無駄なスペースもとらない

 実際に使用してみると違和感もなく、品質も満足できるものだった。図のように、通常のエリエールが55mの長さに対し、こちらは100mの長さがあるため、なかなか減らず、交換の頻度は少なくなった。ロール幅は0.4cm短くなっているが、これはあまり気になるものではない。これに加え、1m当たりの単価が安くなるため、家計にも優しい商品となっている。

 災害などの万が一の時に備え、トイレットペーパーをストックするには、多少のスペースが必要になるが、そのスペースを半減できるのも便利である。今回は筆者が購入しているエリエールを紹介したが、他社も長尺トイレットペーパーを出している。無印良品では「長巻シングル」の名称で1個から購入できるため、自分の生活スタイルに合わせて選んでいただければと思う。

 日常使っている既存の商品も「消費者を起点に少しの改良を加えることで、まだまだ便利になることは多い」と改めて実感させてくれた良い商品だと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile

堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。