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小さいながらも住みやすさ抜群! 文教地区に息づく農業“くにたち”

時事ネタ

2021/05/08 18:00

 東京都国立(くにたち)市は、東京都の多摩地域中部に位置し、面積わずか8.15平方キロメートルと全国で4番目に小さな市である。文教地区に指定され、一橋大学・国立音楽大学・国立高校・桐朋学園などの学校がある。しかも、街には農業の要素もあふれていて、住みやすさは抜群。そこで、国立市の魅力を紹介したい。


 東京駅から約40分のJR中央線「国立駅」の南口を出ると、目の前に見えてくるのが「旧国立駅舎」。旧国立駅舎は、1926年に創建され、2006年にJR中央線の立体高架化工事に伴って解体、20年4月に新たな役割である“まちの魅力発信拠点”としてオープンした。駅南口を降りて正面に真っ直ぐ伸びる広い「大学通り」、右側に「富士見通り」、左側に「旭通り」と道が延びている。「大学通り」の両側に桜の木が植えられ、春は花見客で賑わっている。「大学通り」の終点に「谷保駅」があり、その裏の甲州街道沿いに学問の神様・菅原道真を祀る社「谷保天満宮」がある。
 

 南部地域周辺には、まだ農地が広がっている。九つの地区に分かれていて、それぞれの支部に約150件の生産農家がある。畑・田んぼの間に新築住宅・マンションが建ち並び、何とも妙な風景だが、これが首都圏の農業だ。

 農家の人と地域住民との交流も盛んである。市恒例の「くにたちマルシェ」は、地元の農家と市民がつながるマーケットイベント。新鮮な“くにたち野菜”の直売をはじめ、飲食出店やジャズバド等によるステージ企画、「くにニャン」「みーどりん」の出演など、楽しい催し物が盛りだくさんとなっている。年中行事の「くにたち朝顔市」「農業まつり」「天下市」「くにたち収穫祭」など、農家の人は産直野菜類の販売で大忙しだ。

 直売所も市内のあちこちにあって、新鮮野菜を求めて農家の人と会話しながら市民が行列を作って並んでいる光景もみられる。農家の人と、くにたち野菜と地域食材の店「とれたの」がコラボレーションして製品化した「ほうれん草うどん」や「小松菜うどん」もある。とれたのは、街づくりを進める、くにたち富士見台人間環境キーステーション(KF)に属し、一橋大学の生徒が中心となって運営しているお店である。

 米栽培をしている農家は、以前よりも減って水田も少なくなった。ただ、その中で「天神米」は谷保天満宮で種もみのお祓いを受け栽培された米で、「家内安全」「学業成就」などの願いが込められている。来谷保の「谷」は「ヤツ」で、湿地帯を意味し、この地域が水田に適した土地条件を持っていたことからも、稲作が盛んだったと考えられる。このくにたち天神米を使用した日本酒「谷保の粋」も限定販売されている。
 

 甲州街道よりも南の「城山里の家」では、地域住民と農家の人の交流のために、よく野菜類の収穫体験をする催しが開かれる。また、田植えの時期には、地元の小学生たちが農家の人の指導でどろんこになりながらの田植えが行われる。周囲一帯は、国立の自然と歴史を感じられるスポットになっている。都会の喧騒に疲れてちょっと癒されたいときは、城山公園で森林浴を楽しんでみるのもいい。
 

 以前は多くの農家が梨栽培をやっていたが、今は少ない。ぜひ残しておきたいと、「梨ボランティア」の人たちが保存に努めている。桜の花が満開になるころ、真っ白な梨の花が咲き始め、その後、体験ボランティアの人が梨園で梨の花粉付け作業をしてくれる。国立市から梨園が消えることのないよう、心ある市民の努力で、梨園の維持・管理に取り組んでいるのである。

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