インテルは、9月3日にオンラインで「インテル・プレスセミナー Q3'20」を開催、第11世代モバイルプロセッサー(開発名:Tiger Lake)を発表した。

インテルの第11世代モバイルプロセッサー(開発名:Tiger Lake)は
10月以降発売のノートPCから搭載される

 同社日本法人の鈴木国正社長は新製品発表に先立ち、インテルの目指していく方法性を説明。2025年には、175ZBに達する(IDC Global DataSphere,May 2020)という「情報の氾濫」や企業間で生じている「デジタル格差」を課題にあげ、「データの民主化を実現する」と語った。新型コロナウイルスによるテレワーク推進がもたらした影響については、「格差が広がるのではなく、デジタル環境の底上げがあったのではないか」とコメントした。
 
インテルは「分かりやすく情報に簡単にアクセスして、意思決定を迅速化し、
新たなビジネスチャンスを発掘できる」ことを「データの民主化」と定義している

 Tiger Lakeは、新たなプロセスとして「10nm SuperFin」を採用。基盤となるトランジスターやメタルスタックを改良したWillow Coveコアは、前世代のアーキテクチャーであるSunny Coveから大幅な周波数帯向上や電圧の安定化を実現し、パフォーマンスを飛躍的に高めた。
 
駆動電流が増大した新トランジスター
 
メタルスタックを改良し、電圧を安定させた
 
前世代比で900MHzも動作周波数が向上している

 前世代からグラフィックスに対してのアプローチを高めていたが、Tiger LakeはIris Xeグラフィックスを搭載することで、実行ユニットが最大96になるなど処理能力が倍増。幅広い用途でハイパフォーマンスと低電力消費を実現している。
 
グラフィックス性能の向上が幅広い分野に恩恵をもたらす

 現在、テレワーク推進や教育市場のデジタル化で、1台でビジネスからプライベートまで幅広くこなすPCが求められているが、Tiger Lakeはワークからクリエイティブ、ゲーム、ネットなど分野を横断してニーズに応えられるプロセッサーに仕上がっているといえる。
 
各分野における競合比

 次世代を見据えた対応も充実している。同社として初めてThunderbolt 4ポートを内蔵、CPU内蔵PCle Gen4を統合。もちろん、Wi-Fi 6にも対応しており、最新環境においても最大限のポテンシャルを発揮できるようになっている。
 
新世代プロセッサーの進化点まとめ。
新しいフィーチャーが盛りだくさんに詰め込まれている

 インテルは、昨年から長期的なイノベーション・プログラムとして「Project Athena(アテネ)」を推し進めているが、その第2章として打ち出すのが「Evoプラットフォーム」だ。いくつかの基準を設けて、第11世代プロセッサ―を搭載する薄型軽量ノートPCをより効果的に訴求していく方針だ。

 今回の発表会ではもう一つ、大きなトピックがあった。それがおなじみのブランドロゴの変更だ。新ロゴは、初期デザインと06年に刷新された現行デザインの要素を融合させたものになる。「創業から52年の歴史で、現在はデータ中心市場最大のチャンス。市場規模は30兆円にのぼる。新ロゴには、未来に目を向けたテクノロジーリーダーとしての宣言という意味合いがある」(鈴木社長)。
 
刷新されたブランドロゴ

 PC市場では、「ハイスペックを生かせる用途提案ができていない」という長年の課題があったが、ニューノーマル時代の到来がその解決の足がかりになりつつある。プロセッサーに求められる要件はパフォーマンスという単一の側面だけでなく、AIや5G、バッテリライフなど、幅広い領域に広がっているが、新世代のインテルプロセッサーは、こうしたニーズに応える新たなスタンダードになりそうだ。(BCN・大蔵大輔)