三井住友カードは、キャッシュレスデータ分析支援サービス「Custella(カステラ)」で集計した、新型コロナウイルス感染症の感染拡大がもたらす消費行動の変化を、顧客時間と共同で分析した結果として5月7日に発表した。

2019年と2020年の利用状況比較(左)と、キャッシュレス影響を排除した場合の2019年と2020年の利用状況比較

 調査では、1月~4月15日のデータからキャッシュレス決済状況の全体、業種別、世代別推移に着目し、分析を行っている。

 三井住友カードの決済人数・件数を、2019年と20年1~3月で比較すると、新型コロナウイルス感染症による消費影響がほぼなかった20年1月は、利用人数114%、利用件数120%、利用金額111%と、19年を大きく上回った。

 この20年1月の前年同月比を「ベース増加率」とし、この影響を排除すると、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に現れ始めた2月は、利用人数・件数が前年比でまだ増加しているものの、自粛ムードが顕在化した3月は利用人数・件数・金額全てが減少している。
 
2019年と2020年の業種別の利用状況

 業種別でも、3月はほとんどの業種で減少しているが、「ホームセンター」「スーパー」「ペット関連」「ECモール・通販」「通信サービス」「美容品」では3月に件数も金額もプラスとなった。
 
1回当たりの決済単価の推移

 決済単価の月別前年比較からも、2~3月に本来ならば決済単価が上がるところ、上がらずじまいとなっている。
 
新型コロナ関連ワード検索数と決済件数の比較

 新型コロナウイルス感染症関連ワードの検索数と、キャッシュレス決済件数を日別で比較すると、3月3週目以降の関連ワード検索数が増加していることが明らかになった。一方で、4月以降は検索件数の高止まりと反比例するかのような、決済件数の減少傾向が見られる。
 
2020年3月の増加・減少業種ランキング(前年同月比)
 
2020年3月のクレジットカード決済(前年同月比)

 3月の業種別決済件数・金額の前年伸び率では、「ホームセンター」「スーパー」など生活必需品を取り扱う業種が、決済件数・金額とも大きく伸長した。「ECモール・通販」「ペット関連」「通信サービス」の伸びから「巣ごもり消費」がうかがえる。

 決済件数が増加したものの、決済総額が減少した「ディスカウントショップ」「家電量販店」「ドラッグストア」「家具・インテリア」「健康食品」では、日々変わる状況の中で突発的に準備を要するものを都度都度頻度高く来店して購入する消費行動が想像される。

 一方で、企業自身の営業自粛や、顧客の「3密」回避から、「レジャー施設」「旅行代理店」「美術館・博物館」「映画・劇場」「交通関連」などは落ち込んだ。
 
2019年と2020年の世代別決済金額の変化

 決済金額の前年比を世代別で見ると、1月は70代の伸び率が122%と高く、高年齢層も含めキャッシュレス行動の増加が進んでいたものの、3月は全世代で減少傾向となった。
 
2020年1~3月の業種ごとの性・年代別決済件数シェア推移

 日常的に「ECモール・通販」を利用している20代・30代よりも、高年齢層の増加率が大きく、「ECモール・通販」の増加率は「スーパー」を上回っていることから、高年齢層の人々は身を守るため外出を必要としない「ECモール・通販」を活用していると推測できる。
 
2020年3月の決済金額伸長業種ランキング

 20代・30代の「スポーツブランド」の伸長から、テレワーク推奨によるアパレルへの消費行動の変化が明らかになっており、働き方の変化が現実の場で人と会うことを重視したファッション性優先から、「体に負担をかけない」「長時間座っていても楽」などの機能性重視でスポーツブランドを選ぶ方向に変化している。
 
週別の業種別前年同月比ランキング
 
 4月7日の緊急事態宣言発令以降、4月8日週の週別業種別傾向では、さらなるテレワーク増に伴う「通信サービス」「家電量販店」「ECモール・通販」の伸長だけでなく、「玩具・娯楽品」の伸びが著しい。
 
2020年4月1~14日の決済金額伸長業種ランキング

 世代別でも、「玩具・娯楽品」が全体および20~40代で伸長率1位となっている。
 
ゲーム・EC関連の検索数と決済数の比較

 「玩具・娯楽品」の伸長を裏付けるように、ゲーム・EC関連の検索数は4月に入って伸びており、特にNintendo Switch関連ワードは本体や「リングフィットアドベンチャー」の品薄もあって、検索数が大きく増加した。