家電量販店のPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、今年1月以降、スマートフォン(スマホ)の販売台数同週比は、ずっと前年を下回り、一桁減から二桁減と、他のカテゴリーなら「市場縮小の兆し」といえる水準だ。直近の3月4週(2020年3月23~29日)に至っては前年同週比54.5%にとどまり、東京都知事が呼びかけた外出自粛要請によって、通常より営業時間を短縮しつつ、おおむね営業していた家電量販店でも販売台数が大幅に落ち込んだ。


 例年、スマホは年間を通じて毎月3月に最も多く売れる。学生が新規契約や機種変更で買い求めるからだ。しかし、今年は春商戦のピークは大幅に後ろ倒し、具体的には「コロナ自粛明け」後になると予想したい。

 とはいえ、コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振るう、今の状況がいつ終息するか見通しは全く立っておらず、買い替え検討者の一部は確実にキャリアのオンラインショップに流れるだろう。昨年秋の「端末と通信料金の完全分離」の義務化を受けたスマホ本体の値引き・販売方法の変化、最新5Gへの世代交代といった他の要因などもあり、しばらく店頭販売は低迷が続きそうだ。

 なお、19年4月17日掲載記事「過去最高の販売台数を記録したスマホ市場、待ち受ける試練に耐えられるか」の通り、比較対象となる19年3月のスマホの販売台数は、過去最高を記録しており、その点を割り引いて数値を見る必要がある。
 
かなり賑わい、販売台数も過去最高を記録した昨年、春商戦期の売り場

 もし、このままスマホは、新品ならキャリアやメーカーの公式オンラインショップ、中古ならフリマアプリや中古専門店で買うものとして定着すると、家電量販店は次のメイン商材を探す必要に迫られる。数年前から非家電に注力するビックカメラ、スポーツ用品や酒類の取り扱いを本格的に開始したヨドバシカメラ、住宅部門を強化するため2社目のハウスメーカーを買収したヤマダ電機など、新しい動きはすでに始まっている。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。