東京都が主催に入る「東京eスポーツフェスタ」が、1月11日と12日に東京ビッグサイトで開催された。2019年度の予算は5000万円。目的は、ゲーム・コンテンツにかかわる中小企業へのサポートとeスポーツ産業の振興だ。初日のオープニングに登壇した同イベントの名誉委員長の小池百合子都知事は、「新しい産業になっている」と話し、eスポーツへの期待感を示した。

1月11日と12日に開催された「東京eスポーツフェスタ」

 会場には、eスポーツの競技体験や観戦、関連サービスが展示されていた。参加企業は都内に拠点を置く37社。「全国高校eスポーツ選手権」を手掛けるサードウェーブやゲーム向けスマートフォン「AQUOS zero2」を開発したシャープ、「esports 銀座 school」の開校を4月に控えるコナミ、5G技術でゲーム業界の革新を図るNTT東日本など、多種多様な企業のブースが並んでいた。
 
30社以上がブースを並べる会場

未来を感じた富士通の観戦サポートAI

 会場で注目を集めていた関連サービスは、ひときわ大きいブースを構えていたNTT東日本だ。大容量の情報を低遅延で多数の端末に同時に送信できる「ローカル5G」技術を活用すれば、どのような体験が実現するのか。少し未来の世界をのぞくことができた。
 
富士通とNTT東日本が連携して展示している試合観戦サポートシステム

 なかでも、NTT東日本が富士通と連携して展示していた、AI(人工知能)がeスポーツの試合観戦をサポートするシステムは盛り上がっていた。仕組みは、AIが試合の戦況グラフと、見どころのハイライト動画を自動で作成するというもの。グラフと動画のサムネイルは、対戦画面の両脇にプロジェクターで表示される。サムネイルをタッチすると動画を再生。観客は手軽に対戦の様子と見どころを同時に把握することができるようになる。
 
リアルタイムで戦況をグラフ化する

 11日の会場では、「ぷよぷよeスポーツ」を使ってデモンストレーションを行っていた。グラフには、“ぷよ”や“おじゃまぷよ”が積み上がった数と、AIが画像解析で予想した連鎖数を表示。実際に連鎖が発生したら、ハイライト動画を作成しグラフに載せる。連鎖が大きいほどきらびやかなサムネイルになるので、そこも見どころだ。
 
サムネイルをタッチすると動画が再生される

ビジネスチャンスを探る場

 小池都知事は、こうした出展やイベントを通して「eスポーツにどのようなビジネスチャンスがあるのか、見つけてほしい」とeスポーツ産業の発展を期待する。また、「eスポーツには日本のテクノロジーを生かすことができる」とも述べ、世界の盛り上がりに追いつこうとする姿勢を見せる。一方で、「やり過ぎると依存症になるので、気を付ける必要はある」との懸念も抱いていた。
 
オープニングであいさつする同イベント名誉委員長の小池都知事

 オープニングには、小池都知事と漫才コンビ「霜降り明星」のせいやさんが『太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん!』で対戦するシーンもあった。せいやさんは「忖度(そんたく)無しで行きますよ!」と意気込み、二人で『おどるポンポコリン』を演奏。せいやさんが見事勝利を収めた。小池都知事は、「大勢の前でゲームをプレイするのは初めてで緊張したが、途中から集中できた」と楽しげに語った。
 
太鼓の達人で対戦するせいやさん(左)と小池都知事

 「東京eスポーツフェスタ」は、親子連れの来場者が多く、和やかな雰囲気のイベントだった。『太鼓の達人』や『ポケモンGO』のほか、『モンスターストライク』、『パズル&ドラゴンズ』の大会も開催され、ステージは立ち見がでるほどの満員状態だった。
 
『ポケモンGO』の大会も開催された

 ただ、運営トラブルで試合開始が1時間ほど遅れる事態も発生。アナウンスも少なく、多くの人が帰り時間を引き延ばされることになってしまった。第2回の「東京eスポーツフェスタ」が開催されるかはわからないが、試合の開始が遅れた際はアナウンスや別のコンテンツを披露するなど、対策をしっかり立てておく必要がありそうだ。(BCN・南雲 亮平)