Windows 7のサポートが終了する2020年1月14日まで、あと1カ月となった。今回のサポート終了では、業界をあげて早期の買い替えを訴求した効果もあり、家電量販店やECショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、ノートPCの販売台数は1年半前からプラスに転じる月が増え、増税直前の9月に190.3%という大きな伸びを示した。

Windows 7サポート終了直前のノートPC市場が盛り上がっている

 増税後の反動で10月こそ販売台数は前年を割ったが、11月は再び上昇に転じるなど、戻りは他のデジタル家電カテゴリーと比較するとかなり早い。12月は年末商戦とサポート終了直前が重なっていることもあり、さらに勢いが増しそうな気配だ。
 
ノートPC市場は1年半前から回復に転じ始め、増税直前には190.3%という大きな伸びを記録した

 現在の市況を読むうえで、販売台数以外にも注目したい指標がある。それが平均単価だ。3年前の16年11月は9万1624円だったが、19年11月は10万3639円と約1万2000円上昇。この要因となっているのが、“モダンPC”と呼ばれる新しい製品群の拡大だ。ざっくり説明すると「軽量・薄型で持ち歩きやすく、パフォーマンスが高い」というノートPCのことで、働き方改革などのトレンドを受けて、メーカー各社が開発に注力している。

 その中で、今回、注目したいのはDynabookのモダンPCだ。同社は、19年1月にシャープ傘下に入り、新たに生まれ変わった。新会社としての新製品第1弾に、“究極のモバイルPC”をうたう「dynabook G」シリーズを投入。モダンPCに注力する姿勢を前面に押し出した。
 
新会社として投入した新製品の第1弾「dynabook G」シリーズ

 dynabook Gシリーズは、13.3型のモバイルノートPCで最も軽いモデルで約779g、約17.9mmの薄さを実現。加えて、剛性の高いマグネシウム合金を採用し、堅牢性も優れている。米国国防総省が制定するMIL規格準拠で“持ち歩いて使う”ための隙のないマシンに仕上げている。

 CPUが第8世代インテルCoreプロセッサー、ストレージがPCIe対応の高速SSD、バッテリ駆動時間が約19時間(上位モデルのG8/G7)と、スペックにも妥協がない。親会社シャープの資産である、高精細・高輝度・省電力のIGZO液晶を搭載しているのもポイントだ。
 
「dynabook G」シリーズは“究極のモバイルPC”をうたう

 DynabookのモダンPCに注目したいのは、「G」シリーズの完成度の高さだけが理由ではない。同社は、この1年でモダンPCのラインアップを一気に拡大。多彩なモデルを相次いでリリースし、タイプや価格帯の選択肢を充実させているからだ。

 例えば、Gシリーズをベースに設計した「S」シリーズは、きょう体をプラスチック製とすることで価格を抑え、幅広いユーザーがハイスペックマシンを購入しやすくした。2in1タイプの12.5型「V」シリーズは、クラムシェル・タブレットのスタイルの使い分けを提案。15.6型で約1.399kgを実現した「Z」シリーズは“15.6型ハイスペックモバイル”という新たな市場に挑戦している。
 
1年で急速にモダンPCのラインアップを拡充した

 こうしたDynabookのモダンPC戦略は、販売動向にも反映され始めている。1月に11.1%だった販売台数シェアは、増税直前の9月に14.3%へとアップ。30年の歴史を持つdynabookブランドの信頼だけでなく、同社の新たな挑戦が徐々に消費者にも認知され始めている。年末商戦、そして年が明けて最後の駆け込み商戦でも、存在感を発揮することになりそうだ。(BCN・大蔵大輔)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。