【なぐもんGO・37】 「PayPay」や「LINE Pay」などのスマートフォン(スマホ)決済サービスが話題になって1年が経とうとしている。使える場所も広がり、コンビニや飲食店、家電量販店だけでなく、今では美容院や衣料品店でも使えるまでになった。日常的な食卓を支えるスーパーマーケットでも使えるようになったが、スマホ決済にはまだ課題が残っている。店舗によって異なる会計スピードもその一つだ。

スマホ決済は店舗によって導入している決済方法が細かく異なる

 先日、近所のスーパーマーケットへ買い物に行ったら、新しくPayPayを導入していた。どのような決済方法を採用しているのか、試しにPayPayで会計してみる。

 記者が「PayPayで払います」と言うと、スタッフはまずレジを操作し、その後にレジの下から読み取り用の端末を取り出してきた。それで記者が提示したコードを読み取り、会計が完了。この店舗が導入していたのは、ユーザーのコードを専用端末で読み取る「ストアスキャン方式」だった。

 ただ、会計が完了するまでには時間がかかった。読み取りが上手くいかなかったり、レジの操作を誤ったりと、操作方法の習得には時間がかかる様子だった。都内のある家電量販店でも、「スタッフの年齢が上がるにつれ、キャッシュレス決済への対応を習得したり、実際に対応したりするのに多少時間がかかるようになってくる」といった課題があるという。

 他方、コンビニでは店員の年齢や国籍などに関わらず、比較的スムーズにキャッシュレス決済に対応している。この会計スピードの違いは、導入した決済方法の違いによるものだろう。

会計スピード

 ユーザースキャン方式には、大きく分けて三つの方法がある。(1)レジのコードリーダーで読み取る(2)読み取り専用端末で読み取る(3)店舗側のスマホアプリで読み取る、の三つだ。記者が体験した中で、三つの内でもっとも手間がかからずスムーズだったのは、コンビニなどで採用されている(1)の方法だ。

 (1)のなかにも、さらに2通りの決済方法がある。最速の会計スピードを誇るのは、レジのコードリーダーでユーザーのコードを読み取るだけで、決済サービスを判別するケース。その次が、スタッフがユーザーの決済サービスを確認してからレジに入力し、コードを読み込むケースだ。

 前者の場合、ユーザーは会計用の2次元コードを提示するだけで、店員はレジにある専用ボタンを押してコードリーダーを読み取るだけで会計が完了する。これなら、オペレーションは簡単でスピードも速い。だれでもすぐに馴染めるだろう。

 記者が学生時代にバイトでレジ打ちをしていた頃に学んだのは、会計には正確さはもちろん、速さも求められるということだ。会計の順番待ちが長時間化すると殺伐とした雰囲気になってくるほか、店舗の評価が下がりリピートされなくなる可能性が生じたり、長蛇の列を見て店舗の利用をやめてしまい販売機会をロスにつながったりすると教わった。

 ユーザーがそれでも慣れないスマホ決済を使うのは、まだポイント還元というインセンティブがあるからに過ぎないだろう。このタイミングでユーザーが「スマホ決済は時間がかかって不便」などという印象を持ってしまうと、普及に歯止めがかかってしまう。

 スマホ決済対応レジの導入コストとの兼ね合いがあるのかもしれないが、なるべく早い段階で、ユーザー体験の向上とポイント還元以外の「スマートな会計」という本来のメリットを提供することが求められている。(BCN・南雲 亮平)