10月1日にスタートしたキャッシュレス・ポイント還元事業(消費者還元事業)。5%もしくは2%のポイント還元で盛り上がっており、そのユーザーを獲得したいと考えている店舗経営者は多いはずだ。しかし、中には「キャッシュレス・ポイント還元事業のメリットがいまいち分からない」というケースもあると思う。

 そこで、同事業のメリットを徹底解説しよう。キャッシュレス・ポイント還元事業とは何なのか、参加することで、どのように得するか、の参考にしてほしい。
 

キャッシュレス決済の普及へ

 キャッシュレス・ポイント還元事業とは、政府主導による事業で、消費増税に伴う消費活動の低迷をカバーする目的があり、期間中、対象店舗でのキャッシュレス決済利用で5%もしくは2%のポイント還元を受けることができる。

 もう一つの目的がキャッシュレス決済自体の普及だ。先進国の中でも現金払いが主流な日本において、決済方法もグローバル化に対応することが必要になっている。訪日外国人によるインバウンド効果を最大限にするためにも、クレジットカードやスマートフォン(スマホ)決済サービスといったキャッシュレス決済を普及させることを目的としている。

 ちなみに、主なキャッシュレス決済手段は、「クレジットカード/デビットカード」「電子マネー」「モバイル決済」「QRコード」となる。

キャッシュレスユーザーの集客が期待できる

 キャッシュレス・ポイント還元事業に店舗が加盟する最大のメリットは、キャッシュレスユーザーを集客できる点が大きい。5%もしくは2%のポイント還元を求め、現金払いよりも集客に期待えきるといえよう。なお、ポイント還元率は、中小・小規模事業者で5%、フランチャイズやチェーン店で2%となっている。このポイント還元分を店舗が負担する必要はない。

期間中はほぼ無料でキャッシュレス決済を導入できる

 キャッシュレス・ポイント還元事業の期間中、店舗はほぼ負担なしで導入することができる。例えば、キャッシュレス決済用の端末を導入する場合、3分の1を決済事業者が、3分の2を国が補助してくれる。

 キャッシュレス決済の導入を悩んでいる店舗の中には、「端末費用が支払えない」というケースもあるだろう。しかし、本事業の期間中なら、決済事業者と国が端末費用を出してくれる。非常にお得な状態でキャッシュレスユーザーを獲得できるということだ。

従業員の負担が軽減する

 間接的にはなるが、従業員の負担が軽減することもメリットになる。キャッシュレス決済を導入すれば、レジ締めの時間が短縮されるからだ。現金搬出や会計時にミスして計算が合わないといったトラブルも防ぐことができる。ほかにも、売上管理の簡便になったり、現金の盗難なども防げたり、とさまざま。導入時の一時的なオペレーションコストを踏まえても、効率化が期待できるといえよう。

加盟店手数料の3分の1を国が補助

 キャッシュレス決済を店舗が導入すると必要になるのが加盟店手数料。通常は、会計のたびに数%を支払う必要があるのだが、キャッシュレス・ポイント還元事業中は国が3分の1を補助してくれる。
 
キャッシュレス決済サービス加盟店手数料の例

 AirPayや楽天カードでは通常3.24%の決済手数料が必要だが、これが2.16%まで減額される。また、キャッシュレス・ポイント還元事業とは別物だが、PayPayでは2021年9月30日まで決済システム利用料を無料にしている。

 キャッシュレス・ポイント還元事業は、店舗にとってコストを抑えて集客できるのがメリットとなる。また、手数料などを補助してくれるのも魅力だ。ただ、事業終了後、手数料が元に戻ることになるので、どれくらいお得になるかを理解したう上で、参加することをおすすめしたい。(BCN・平本 良太)