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増税後ポイント還元の即時「値引き」、アマゾンの出品企業は5%で対応

販売戦略

2019/08/21 22:00

 セブン-イレブンやファミリーマートローソンなどの大手コンビニ3社が、10月1日の消費増税後のポイント還元事業において、キャッシュレス支払い時点で2%のポイント還元を即時に充当する方針を明らかにしたことが報じられているが、大手ECのアマゾンジャパンでも5%の即時充当に対応する。ポイント分が一定期間後に充当されるスマートフォン(スマホ)決済サービス事業者などと差別化されそうだ。

アマゾンジャパンはマーケットプレースで5%還元分を即時充当

 アマゾンジャパンが対応するのは、同社が運営するマーケットプレイスに出品する中小・小規模事業者や個人事業主。アマゾンによる直販は対象外。

 アマゾンジャパンでは、申し込みフォーム用の専用画面を設けて、法人企業に対して8月8日、個人事業主に対して8月19日に本格的な受け付けを開始した。
 
アマゾンジャパンの中小・消費微事業者と個人事業主向け受付画面

 出品企業が販売する商品をユーザーがキャッシュレス決済で購入すると、商品金額の5%に相当する金額が即時に充当される。ユーザーにとっては、クレジットカード会社やAmazonポイント、Amazonギフト券などから支払われる金額が、5%分を「値引き」されたのと同じように感じられる。

 出品企業にとって、5%のポイント還元費用や手数料は発生しない。ユーザーへの還元はアマゾンが政府に代わって行われるからだ。申し込みフォームに入力してから国による出品者の審査を行ったりする期間が生じるため、早めの登録を促している。

 6月下旬に会見したアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は、Amazon.co.jpに出品する日本の中小企業の販売事業者が2018年時点で約15万社、1分当たりの販売商品が約600個、流通総額が9000億円を超えていることを明らかにした。「値引き」に近い即時充当は、こうした中小企業にとってユーザーへの大きな訴求ポイントになりそうだ。

 なお、スマホ決済サービスの中でも、Origami Payなどは最大3%オフや200円引きのクーポンなどでコード決済すると、銀行口座から3%分や200円分を差し引いた金額が支払われるので「値引き」のようなユーザー体感が得られる。コンビニ3社とアマゾンの仕組みも、これと近いイメージになるとみられる。(BCN・細田 立圭志)