パナソニックのノートPC「レッツノート」や堅牢タブレット「タフブック」の開発から製造、販売、サポートまで自社で一貫して手がける神戸工場のメディア向け見学会が7月17日に行われた。2年前に取材したときはスマートファクトリー化の一部を担って工場で黙々と作業していた1台の人型双腕ロボット「ゼウス」がいたが、今回、新たに「メティス」という相棒と一緒に登場。複数工程を1台でこなすだけでなく、専用ロボットと一緒に協働していた。

パナソニック神戸工場で「ゼウス」と一緒に「働く」人型双腕ロボット「メティス」

 ゼウスは腕に自ら最適な治具を取り換えながら、メイン基板に実装された部品が正常に動作するかどうかをチェックするFBT(ファンクション・ボード・テスト)と呼ばれる検査の複数作業を1台でこなすロボット。治具はロボット専用のものではなく、工場での日々の改善やノウハウが蓄積された、人が使うのと同じ治具を使うことで、モノづくりの匠の技が継承されている。
 
レッツノートのメイン基板のFBT
(ファンクション・ボード・テスト)をする「ゼウス」

 ロボット独自の動きではなく、人と同じような動きをするのもポイントで、人間がモニターを見ながら検査するのと同様に、ゼウスに搭載された二つの画像認識センサーがモニターを見て確認しながら作業する。モニターを見て異常があればもう一度検査しなおし、それでも正常にならない場合はメイン基板を再検査用の棚に仕分ける。この一連の作業を、最適な治具を自らチョイスしならが行っていくのだ。

 よく見るとゼウスの周辺にはアームを動かすためなどのケーブルがない。ゼウスは固定されているわけではなく、取っ手で簡単に移動できる台座に載っているため、場所を移動させて作業させることも可能だという。
 
ゼウスは人と同じようにセンサーでモニターをチェックしながら作業する

 2018年から新しく加わったというメティスは、ロット生産用などで使われている機種専用ロボットと協働している。メティスと専用ロボットは、何枚かのメイン基板が並んだラインを挟んで左右に配置されている。2台が同時に作業することもあれば、専用ロボットの動作とぶつかりそうなときは、メティスが自ら作業を止めて、専用ロボットの動作が終わるまで待つ。工場では実際にその様子が確認できた。

 これもプログラムで決められた動きをするのではなく、ゼウスと同じように人の目と同じような働きをする画像認識センサーがあるからこそできる配慮だ。メティスに与えられた使命は、人と協働して作業できるようになることだという。パナソニックの神戸工場でメティスと人が一緒に作業する日も、そう遠くはなさそうだ。(BCN・細田 立圭志)