日本マイクロソフトは1月29日、流通分野のデジタルトランスフォーメーションを加速させるための支援策として「Smart Store」と「Smart O2O」の概要を発表した。第一弾として、スマートフォン(スマホ)とマイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Azure」を組み合わせた決済機器「Smart Box」の導入をスタートさせる。

Micorosoft Smart Boxのイメージ

「Smart Store」リファレンスアーキテクチャーを無償提供

 Smart Boxは、Boxの中に商品を入れるとカメラとAIが商品を個別認識して決済し、Azureのクラウド上で商品マスタや在庫管理が可能な小売業向け機器。スマホアプリで簡単に使えることも追求している。

 Smart Storeは、日本の流通業の特性に合わせた独自の小売業向けソリューションで、大きく次の三つのから構成される。

 まずは、Smart Storeリファレンスアーキテクチャーの無償提供。流通各社の差別化につながらない共通部分について効率化を図るためのリファレンスアーキテクチャーで、具体的にはキャッシュレスによるスマホ決済や数百万の商品在庫を数百店舗で一括管理できる商品マスタ、商品トランザクション管理、店舗ビジネスでの主要なユースケース、サンプルアプリケーション、サンプルコードなどを提供する。

 これらを活用することで、流通各社は新規サービスの開発期間を5割削減したり、実装方式設計コストを7割削減したり、将来的な運用コストを5割削減したりが可能になるという。また、システム共通部分を効率化することで、各社は自社のコアコンピタンスとなる差別化部分に特化することができる。

 このリファレンスアーキテクチャは1月29日からGitHub上で公開され、無償で利用することが可能になっている。初期の段階では対象が決済と在庫管理であるが、今後は物流センターなどのロジスティックス周りのサプライチェーン全体をカバーしていく予定だ。
 
「Smart Store」リファレンスアーキテクチャー

 二つ目が、Smart Storeの導入企業が実際に運用するための技術者育成プログラムの提供。19年3月に開始し、年間約3000人の技術者の育成を目指す。マイクロソフトでは、Smart Storeの導入企業に対して育成プログラムの受講を通じてAIやIoTなどの最新テクノロジーを活用したシステム構築のための技術的な知識の修得を促す他、流通業に特化したビジネスハッカソンで実践的なアプローチの習得も目指す。

 三つ目が、競争他社との差別化につながる新規ビジネス開発でマイクロソフトのデジタルアドバイザーが各社の経営や事業ポートフォリオを考慮しながらコンサルティングを行ったり、新規ビジネスモデル開発のためのアイデアソンなどを提供する。

 具体的な協業の内容は明らかにしなかったが、国内の「Smart Store」の賛同事業者として、イオンとTRIAL、ローソンの3社を上げた。TRIALとは同社の「チェックアウト」というスマート決済の領域で協業しているという。