テレビの空撮映像ですっかりおなじみになったドローンだが、撮影用途以外でも着実にその守備範囲を広げつつある。そこで、今注目を集めている特徴的な3つの新世代ドローンを紹介しよう。

1. AIアナウンサードローン

 音に着目したという点でとてもユニークなのが、空飛ぶAI防災無線ともいえる、クオリティソフトの「AIアナウンサードローン」だ。上空100m上空からでも広域にクリアな音声を届けることができるのが特徴。例えば災害時に避難を呼びかける際、最も緊急度が高いエリアに飛ばして避難を呼びかけることができる。遭難者を捜査する際の呼びかけなど、人命救助にも活躍しそうだ。

 圧電スピーカーと呼ばれる特殊なスピーカーを搭載。ドローン特有のプロペラの回転音に影響を受けにくいため、大音量にしなくても声が届くという強みを持つ。さらに27カ国語の翻訳に対応しており、訪日中の外国人観光客などにも的確にすばやく情報を伝えることができる。来春発売予定だが、すでに多くの引き合いがあるという。
 
クオリティソフトの「AIアナウンサードローン」。音の伝送はFM波を使い、地上の送信機から本体に送る。プロペラノイズとスピーカー出力の周波数帯が異なるため、ドローン特有のノイズの干渉が少なく声を地上に届けることができる

2. 高速ドローン・エアロセンスの「VTOL」

 比較的狭いエリアをゆっくり飛ぶというイメージが強いドローンだが、高速で長い距離を飛ばせるドローンもある。エアロセンスの「VTOL」だ。飛行機のような形をしているが、その名の通り垂直離着陸が可能。固定翼型ながら滑走路は必要ない。それでいて長距離の自律飛行が可能な高速ドローンだ。

 竹富島から石垣島までの飛行実証実験に成功し、アフリカのザンビアで医療関連物資の輸送実証実験も行っている。130km/hの高速移動が可能で最長60分飛べるため、100km超の遠方まで物資を運ぶことができる。最大積載重量が1.5kgしかないが、薬品や血清など緊急性の高い軽量な物資の輸送には大活躍しそうだ。
 
エアロセンスの「VTOL」。無人小型輸送機といっていいだろう。特に離島の生活支援や、災害時の情報収集などへの活用が期待されている

3. 水中ドローン・RoboSeaの「Robo-Shark」

 空ばかりではない。水中ドローンもこのところ密かに注目を集めている。水中では高い周波数帯の電波がほとんど飛ばないため、有線でコントロールするものがほとんど。自由に空を飛ぶドローンとはイメージがやや異なるが、薄暗い水中で明かりを灯しながら進む姿はまた違った存在感がある。
 
RoboSea「Robo-Shark」。推進力にプロペラを使わず、静かに「泳ぐ」。水中で動く姿は魚そのもの。水産資源の観察や深海探査への活用にも期待されている

 6月に上海で開催された「CES ASIA 2018」では、数多くの水中ドローンが登場。中でも人目を引いていたのが、中国・北京に本社を構えるRoboSeaの「Robo-Shark」だ。筐体がサメのような形をしていて来場者の目を引いていた。推進力は魚と同じ。体をくねらせて泳ぎながらも時速10ノットのスピードが出る。プロペラがなく静かに進むため、水中の生物に対する影響は少ない。地上のコクピットから操縦でき2時間稼働で300mまで潜れるため、深海探査への応用にも期待が高まっている。(BCN・道越一郎)