日本マイクロソフトは2019年3月末までに、Windows 10搭載の最新ノートPCの中でも、同社が訴求する「モダンPC」専用の売り場を、主要家電量販店の200店舗に導入する。

「モダンPC」の売り場イメージ

 まずは18年12月末までに8店舗に導入する計画。マイクロソフトでは、10秒以内に立ち上がる高速起動や、軽量で持ち運びに便利、かつ長時間のバッテリー駆動で、創造性や生産性をアップさせるウルトラスリムや2-in-1のPCを「モダンPC」と定義する。

 執行役員でコンシューマー&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部長の梅田成二氏は新しい売り場づくりのポイントについて「各PCメーカーの売り場にポツンと15インチのモダンPCが置かれると小さくて埋没してしまうので、各社のモダンPCだけを集めたWindowsコーナーとして島展示する」と、分散させずに集中的に展示する手法を採り入れると語った。

 全国の家電量販店の約800店舗でWindows搭載PCの売上高の6割をカバーするが、今回導入する200店舗はそのうちの4割を販売する上位店舗だ。
 
執行役員でコンシューマー&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部長の梅田成二氏

郊外の家電量販店がカギ

 一方で、国内のPC販売の約7割を郊外の家電量販店に頼っているという課題もある。モダンPCは、働き方改革によるワークスタイルの変革が進むことで、さまざまな企業や産業のインダストリー領域や個人のライフスタイル分野に及ぶというストーリーを描きながら提案する。つまり、こうした変革の流れが、都市部だけでなく郊外までいかに波及するかがカギとなる。

 PC業界では、2014年4月に消費増税とWindows XPサポート終了が重なり駆け込み需要が発生。それ以降、ずっとマイナスが続くという苦い経験をした。全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、ノートPCの国内市場が台数ベースで前年比プラスとなったのは、実に2年半後の16年10月だった。

 当時、消費者が価格を最優先に考えて、スペックの低いPCを買った結果、電源を入れてから立ち上がりが遅いなどの不満につながり、使用頻度が下がった。これが3、4年だったPCの購入サイクルを9年まで延長させた要因になったのではないかとの見方は業界内に根強い。家にとりあえずPCはあるが、年に数回しか稼働せず、子どもが触れる機会も減り、購入サイクルが伸びるという悪循環に陥っているのだ。

 郊外型の家電量販店で、いかに「モダンPC」を使ったユーザー体験を広めていくかが、PC業界全体にとっても重要になる。(BCN・細田 立圭志)