ライブ動画配信を通して商品やサービスを販売するライブコマース市場が国内で徐々に広がりつつある。オンラインの新しい販売手法は、2~3年前に中国でブームに火が付き、現在では年1億円を稼ぐ配信者も生まれているという。

 中国におけるライブコマースのユーザー数は2016年時点で3億5000万人以上、市場規模は約50億ドル(日本円で約5484億円)にまで達しているという。日本ではまだ黎明期ということもあり、正確な数字は発表されていないが、テレビ局やECサイト、オークションサイト、小売企業など、さまざまな業種がインターネット上で関連サービスを開始している。
 
日本の企業も業種を問わず、続々とライブコマースに参戦している(写真はBASEが9月に開始した「BASE LIVE」)

 11月20日にはAmazonが、12月7日から開始するセール「Amazonサイバーマンデー」において、有名YouTuberとコラボレーションして「Amazon Live Channel」というライブコマースを実施すると発表。すでに米国では行われているが、日本では今回が初だという。
 
Amazonも12月7日から実施する「Amazonサイバーマンデー」でライブコマースを実施する

 売上拡大だけが目的ではない。価格以外の価値を付加することでECの購入体験を高めたいという狙いもある。“手軽に稼げる方法”という側面ばかりに注目が集まりがちだが、本来、ライブコマースはマーケティングやファン創出にこそ向いているサービスだ。

 こうしたライブコマースの本質を通して、市場の活性化を目指しているのが、業界関係者をメンバーとするライブコマース推進委員会だ。今年7月には、市場をけん引するプラットフォーマーやシステム開発企業がセッションする「Live Commerce Show 2018」を開催。200名以上の来場客を集め、日本でどのようにライブコマースは成長していくか、ビジョンを示した。

 ここでも登壇者の共通見解としてあがったのは、「ライブコマース=コミュニケーションツール」ということだ。地域振興や福祉貢献など、企業の販売促進以外の実績もすでに報告されており、商業的な価値だけでないという認識は徐々に広がりつつある。
 
今年7月に開催された「Live Commerce Show 2018」には200名以上が参加した

 同イベントは早くも12月7日に2回目の開催が決定している。アパレル販売のライブコマースで人気のインフルエンサー峰松蓮氏や急成長中のネットショップ作成サービスを運営するBASEも新たに参戦し、ライブコマース市場の最先端が語られる予定だ。当日は業界関係者だけでなく、一般客も参加可能。新たな潮流がECをどう変えていくのか、気になる人はぜひチェックしてほしい。(BCN・大蔵 大輔)