日本マイクロソフトが7月11日に発表した「Surface GO」は、小学校や中学校などでの採用を強く意識している。教育機関向けモデル「LXK-00014」の税別4万7800円という価格に、その意思が込められている。

小学校の机の上を意識してつくられた「Surface GO」

教師だけでなく生徒にも的

 競合と想定されるアップルのiPadは、9.7インチでストレージ容量32GBタイプが3万7800円であるのに対し、Surface GOの文教モデルは10インチ、64GBで4万7800円。ストレージ容量を倍にしながらも、1万円の価格差に抑えた。

 ちなみに、ワンランク上の128GBモデルで比較すると、iPadが4万8800円なのに対し、Surface GOは6万5800円で、Surface GOのほうが約2万円高い。こうしたことからも、64GBモデルの価格がいかに戦略的かがわかる。

 日本マイクロソフトで教育機関向けビジネスを担当するSurfaceビジネス本部の小黒信介本部長は「これまでは文教向けにSurface ProやSurface Bookを提案していたが、学校側の予算枠をオーバーするケースがあった。より安いモデルが求められていた」と、これまでのSurfaceは価格競争力が弱かったことを認める。

 いくらハード面の機能やパフォーマンスが優れていても、より多くの生徒たちが使うには10万円や20万円という価格のハードルは高かった。実際、Surface ProやBookは生徒が使うケースより、教師が使うケースのほうが多かったという。
 
Surface GOとSurface Pro。Surface GO(左)は文教向けにサイズと価格を意識した

 また「小学校の机にSurfaceと教科書を置くことを想定して、10インチのコンパクトさを求める要望は以前からあった」と、小黒本部長は小学校の机を意識してサイズが決められたことを語る。
 
日本マイクロソフトの平野拓也社長

 記者会見で平野拓也社長は「文科省は教育のICT化に向けて、2022年度までに毎年1800億円を超える地方財政措置を拡充していく。20年のプログラミングの必修化もあり、Surfaceを使ったユーザーフレンドリーなタッチやキーボード、ペンなどの利用シーンも増えていくだろう」と、教育機関向けビジネスでSurface GOの普及に意欲を燃やす。

 政府は児童や生徒に対して17年3月時点で5.6人に1台だった教育用コンピュータの整備を3.6人に1台、18年度以降は必要なときに1人1台の環境整備を目標に掲げる。文教向けのSurface GOの戦略的な価格は、マイクロソフトがこの市場を本気で獲りにいく姿勢を示したものといえるだろう。(BCN・細田 立圭志)