いくつもの“日本初”を生み出してきたPhilips(フィリップス)の液晶ディスプレイが、2018年9月に日本市場参入から5周年を迎える。販売総代理店を務めるMMD Singapore 日本事務所でフィリップスディスプレイの販売総責任者を務める三池田五第 所長は、「土台づくりの5年だった」と振り返り、「20年にはシェアトップを目指す」という。その土台となる実績とこれからの施策について聞いた。

営業部の岩永美駒 主任(左)と三池田五第 所長(右)

手頃な価格でも高品質を実現するワケ

 フィリップスが日本市場に参入したのは、13年9月。映像がどの角度からでも鮮明に見えるIPS方式のパネルとスリムなベゼルを採用した液晶ディスプレイが、比較的手頃な価格で手に入る、ということで人気を呼んだ。

 さらに12月には、個人向けの市場でシェアを拡大。販売台数のアップを後押ししたのは、日本初の5年保証だ。三池田所長は、「参入当初、外資系メーカーは安心感で日系メーカーに追い付いていないと感じたので、長期の保証をつけた」と語る。

 消費者が製品を使用する期間が長ければ長いほど故障のリスクも上がるため、長期保証を実施するには覚悟が必要になるが、「定められた基準よりも厳しい検査基準を独自で設けており、品質には自信がある。そしてなにより、消費者に安心して使っていただくことが、ブランドへの信頼につながる」と言い切る。

 高品質でも手頃な価格を実現している理由は、品質以外の工程でコストを削減しているからだ。現在、フィリップスの液晶ディスプレイの販売台数は、世界規模で約600万台を誇る。この数を生かして、一度にまとめて部品を発注したり、大量の製品を運搬したりすることで、1台あたりにかかるコストを下げている。また、メーカーの倉庫を経由せずに、工場から直に日本の卸事業者の倉庫へと製品を納品することで、維持費を削減している。
 
小型ディスプレイから大型のサイネージまで、個人・法人向けに販売している

液晶ディスプレイの大画面化を促進した日本初

 参入から1年後の14年11月には、日本で初めての40型4K対応液晶ディスプレイを発表した。三池田所長は、「日本市場における液晶ディスプレイの大画面化を促した製品ではないか」と分析する。

 14年頃の市場では、18~30型未満が主流で、30型以上は大型に分類されていた。そこに40型を投入した理由については、「テレビのような使われ方を想定した」という。当時の4Kテレビは価格が20万円以上と高額だった。これに対し、フィリップスの4K対応液晶ディスプレイは大画面で10万円以下。PCやゲーム機、レコーダーを接続することで、高画質な映像を手軽に楽しめるようになった。

今も続く需要の開拓

 日本初の実績は、現在も積み上げている。18年4月には日本初の試みとして、ユーザーが不具合のある商品の対応をサポートセンターに依頼する際、該当商品の往復料金をメーカー負担に変更。加えて、キャンセル料や技術料も無料にした。

 直近では5月に、日本初となる最大輝度が1000cd/平方メートルの「Display HDR1000」対応モデルを発表した。「Display HDR1000」は、17年12月に米VESA(ビデオエレクトロニクス規格協会)が策定した「Display HDR」の最上位クラス。他社に先行して投入することで、市場開拓のアドバンテージを得る狙いだ。

「“日本初”は消費者目線から自然に生まれた」

 三池田所長は、「日本初は狙ったわけではない。消費者目線で必要なものを考えたら自然と出てきたもので、“日本初”の実績自体はあとからついてきた。日本のユーザーニーズは多種多様だが、われわれはそれをすべて満足させようと思って事業を展開している。そのために、数多くの機能を載せている」と決意を明らかにする。

 一方で、「多くのニーズに応えるフィリップスのディスプレイには、目に優しいブルーライトカット機能や、USB 3.1 Type-C ケーブル、高さ調節やピポットなど、たくさんの魅力がある。サポートでもお客様に快適に利用していただくためのさまざまな施策を打っているが、まだまだ伝えきれていない」という。

2020年には販売数シェアトップを目指す

 13年9月の日本市場参入から、18年9月で5周年を迎えるフィリップスの液晶ディスプレイ。事業の立ち上げからこれまでを支え続けてきた三池田所長は、「無事に5周年を迎えられそうなのは、販売代理店の方や販売員のお蔭。感謝の念は伝えていきたい」と話す。
 
関係者の方々に感謝を伝えたいと語る三池田所長と岩永主任

 これからについては、「多様化している使われ方や製品を世の中に広めることで、企業や個人の働き方改革、生活の助けになっていきたい。フィリップスのブランドメッセージ“innovation and you”には、新しいものをつくることで、生活を豊かにしていきたいという意味がある。私たちは液晶ディスプレイ専門なので、駅やスーパー、ホテルやオフィスといった場所に導入することで、その場所や仕事、人生の価値を高めることに貢献していきたい」と展望する。

 フィリップスの液晶ディスプレイは、法人向けでも厚い信頼を得ている。MMD Singapore 日本事務所 営業部の岩永美駒主任は、「空港などの公共の場でフィリップスの液晶ディスプレイを見かけると嬉しくなる」と打ち明ける。

 20年には法人、コンシューマをあわせて、日本の液晶ディスプレイ市場でトップの座を狙っていく。そのためにも、今まで伝えきれていなかった製品の魅力をエンドユーザーまで届けられるよう、一層力を入れて取り組んでいくという。