スマートフォンを安価に使いたい場合に好都合な中古端末は、まだまだ認知度が低く、製品に対する信頼性に疑問を抱く消費者が少なくない、という課題を抱えている。実際には、どの程度の市場なのか。MM総研の調査と、中古携帯通信端末の業界団体「リユースモバイル・ジャパン(RMJ)」の代表理事企業を務める携帯市場の粟津浜一代表取締役の説明をもとに、規模と利用実態を整理してみる。

徐々に認知度はアップしつつあるも、購入経験者はまだ少ない

 2016年度(4月~3月)の中古携帯端末の販売台数は約238万台(前年度比98.8%)で、そのうち主力となるスマホは約158万台(113.7%)だ。17年度では全体で256万台(106.4%)、18年度には308万台に達するとみられる。市場動向としては、09年~15年度は右肩上がりの成長を続けたが、16年度は足踏み、17年度ではわずかな成長を遂げると見通す。
 
201801251814_1.jpg

 金額面では、中古スマホの平均販売価格は1万6585円。販売台数と照らし合わせると、中古スマホのおおよその市場規模は260億円ほどになる。粟津浜一氏は「市場規模は客単価によって変わってくるが、市場全体では約300億円。20年は500億円に達するだろう」と見積もる。

 MM総研が17年9月に実施したWebアンケート調査「中古携帯端末の利用実態と市場規模(プレ調査が2万1811件、本調査が1636件)」によると、中古スマホを購入した経験がある回答者は4.3%。中古フィーチャーフォンは3.5%、中古タブレットでは3.1%だった。

 この調査結果に対して粟津氏は「MVNOのシェアが拡大するなかで、この数値は低いのではないか」と指摘。「スマホだけでも10%にまで増やせれば、800億円にも届くかもしれない」と試算する。

 中古端末が購入される最大の理由は「価格が安い(お得)」、次いで「2年間利用の前提がなく、契約期間に縛られることなく利用しやすいから」などがある。一方、購入しない理由としては「中古端末が売られていることを知らない」、「前の利用者が不明だから」、「中古端末を生理的に受け付けないから」という声がある。
 
201801251814_2.jpg
リユースモバイル・ジャパンの代表理事企業を務める携帯市場の粟津浜一代表取締役

 「中古の携帯に関する報道が増え、徐々に認知度は上がっているが、足りていないのが実情」と打ち明ける粟津氏。「仕入れる端末は2次流通の商品のみになり、昔よりも怪しさはない。今後は品質問題の改善などをうまく伝えていきたい」と話す。(BCN・南雲 亮平)