「フラグシップも売っていきたいが、まずは中級クラスを中心としたゾーンをしっかり販売してシェアの回復を狙っていきたい」。東芝ライフスタイルのエアコン統括部商品企画部商品企画担当の下沢一仁グループ長は、一連の報道によって棄損した東芝ブランドを回復させるために、まずは金額よりも台数シェアの回復が先と考える。ルームエアコン「大清快」の冬商戦は、2017年モデルを続投して、新商品が発表予定の来春まで戦う。

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東芝ライフスタイルのエアコン統括部商品企画部商品企画担当の下沢一仁グループ長

 「大清快」の最上位機種はC-DRシリーズだが、この冬商戦で力を入れるのはひとつ下位のC-Rシリーズ。14畳用のRAS-C405Rと10畳用のRAS-C285R、8畳用のRAS-C255R、6畳用のRAS-C225Rの4機種に絞る。中級クラスはプライベートルームだけでなく、リビングルーム用としても使えることから、顧客に価格面での割安感を訴求する戦略だ。

 思い切ったラインアップの絞り込みは、12畳用として各社が用意する「36」タイプを揃えていないことからも伝わる。「機種を分散せずに絞ることで市場に安定供給できるメリットも生まれる」と下沢グループ長は説明する。

 東芝ライフスタイルは、昨年6月に中国の家電大手マイディアグループ(美的集団)傘下になったこともあり、一見すると工場の規模や年間3000万台ともいわれる生産能力を生かし、ラインアップを豊富に揃えられそうに思うが、エアコンの場合はそう簡単にはいかないという。

 半導体を使った高性能な部品は日本から供給する必要があるし、そもそも国内のエアコンをそのままグローバルモデルとして展開するのは難しい。例えば、中国では縦型で円柱形の大きなエアコンが主流だったりするからだ。

 そんな「大清快」で以前から力を入れているのが空気清浄機能。C-RシリーズにもJEMA基準適合のPM2.5対応の「プラズマ空清」機能(8畳相当)を搭載する。電気集じん方式で汚れをすばやく帯電させて、熱交換器に吸着させながら、0.1~2.5μmの粒子を99%除去する。
 
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「大清快」の「プラズマ空清」と「マジック洗浄熱交換器」

 熱交換器に付着した汚れは「マジック洗浄熱交換器」で、冷房や除湿運転時に結露した水を使って洗浄。ドレン水と一緒に汚れを屋外に排出する。熱交換器の表面にも特殊樹脂コーティングを施しているため、汚れ物質が付着しにくい。

 室内機の清掃性は、この冬の争点になっているが、「大清快」は掃除機で簡単に手入れできる独自の「楽ダストボックス」が売りだ。付属の掃除ノズルを掃除機の延長管の先端に取り付けて、ルーバー付近のごみの吸入口にあてる。すると、フィルターの自動掃除機構でダストボックスにたまったホコリを吸い込むことができる。ダストボックスを取り外す手間が不要なのだ。
 
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「楽ダストボックス」で掃除機でホコリを手入れ

 「大清快」は空気清浄機能を訴求し続けていたことから、アレルギー性の疾患を持つ家族からの指名買いもあるほど認知されているという。東芝は「プラズマ空清」と簡単手入れの「楽ダストボックス」の2点突破に低価格の魅力を添えながら商戦に挑む。本連載の第6弾は、シャープの「プラズマクラスターNEXT」搭載のエアコンを見てみよう。(BCN・細田 立圭志)