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e☆イヤホン創業者・大井裕信氏に聞く、イヤホンが中古でも売れる理由とは

 イヤホン・ヘッドホンの中古は抵抗がある――身体に密接するアイテムだからこそ、そう感じる人は多いだろう。しかし、イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」では中古商品が売上全体の約2割を占めている。創業者の大井裕信・代表取締役は、デジタル家電の中古販売を得意とするソフマップの出身。古巣で蓄積したノウハウが「e☆イヤホン」でも如何なく発揮されているという。

取材・文/ 大蔵大輔、写真/ 大星直輝

前半<「売れとは絶対にいわない」>から読む
 

e☆イヤホンの創業者・大井裕信 代表取締役

中古の売上構成比は2割 「売る人」と「買う人」のレイヤーは別

―― e☆イヤホンでは中古商品も重要な商材です。衛生上の問題などで抵抗感がある人も多いかと思うのですが、なぜ成功しているのですか。

大井 もともと前職のソフマップでは中古部門を長く経験していたので、買い替えや中古販売に関するノウハウはインプットされていました。「動作チェックして保証をつけたら大丈夫やん」という感覚でしたね。

 もちろん「人が耳の中にいれたものを誰が買うの?」とはよく言われましたが、それって古着屋も一緒ですよね。だからキレイにメンテナンスしてクリーニングしていることをアピールできれば必ず売れると思っていました。

―― 中古の買い取り・販売はオープン当時からですか。

大井 最初は新品だけでした。中古の取り扱いを始めたのは2年後です。最初からプランにはありましたが、中古は買い取りの段階で、まずキャッシュが出ていきます。創業時はまだ資金の問題がありました。いつでもできるという気持ちがあったのもあります。

―― 中古の売上構成比は約2割と非常に高いですね。

大井 開始したときからこの比率はほとんど変わりません。ヘッドホン・イヤホンの中古査定というと、メーカーや発売年で大雑把に値づけするのが一般的だと思います。しかし、そんなやり方ではお客様には響きません。「e☆イヤホンは専門店ですから、かなり細かくやっています」ということをアピールしているので、高い売上構成比を維持できているのだと思います。

―― カメラ専門店だと古い機種を売って、新製品に買い替えるというフローがあります。イヤホン・ヘッドホンの中古市場も似た構造なんですか。

大井 もちろん、そういったお客様はいらっしゃいますが、カメラと異なるのは売る人と買う人が必ずしもイコールではないということです。常に最新機種を所持していたいという方は、その資金を作るために古いモデルを売って、新品で最新機種を購入されます。それとは別に中古を狙っている層がいます。新品では手が届かないけど、中古なら上のクラスのモデルが買えるわけです。僕の頭の中では「売る人」「買う人」のターゲットは分かれています。

―― イヤホン・ヘッドホンの修理コーナーを店舗内に構えているのも専門店ならではですね。

大井 e☆イヤホンクリニックですね。メーカー修理も受け付けますし、メーカー保証が切れたものに関しても対応します。ドクター制度というのを設けていて、はんだ付け検定1級を持っているのが条件です。秋葉原は資格者が4人いて、他の店舗にも1人ずついます。うどん屋がうどんを打っているところを見せるように、クリニックもあえてお客様に見えるようにしているんです。そっちの方がわくわくするでしょ。
 

「中古は売る人と買う人のレイヤーが違う」と語る大井氏

地方進出にも意欲 モデルケースの確立に試行錯誤

―― イヤフホン・ヘッドホンの体感イベント「ポタフェス」を各地で開催されていますね。

大井 地方では高単価の高級機を試聴できるところはかなり限られています。「値が張るものだからこそ、慎重に選びたい」というお客様には毎回楽しみしていただいています。

―― 店舗の地方展開も考えているのですか。

大井 ソフマップ時代の経験で、市場規模の違いから都市部のギガストアと地方のストアでは、同じ方法が通用しないというのは分かっています。名古屋を地方といえるかは分かりませんが、2年前に出店した名古屋大須店は、地方出店のモデルケースとして今でも試行錯誤しています。
 

2015年10月にオープンした名古屋大須店では、地方のモデルケースを試行錯誤している

 e☆イヤホンが地方に進出するにあたって問題になるのが、圧倒的な試聴機の数とお客様の細かい要望にも応えられるスタッフです。当然、秋葉原や日本橋のような売り上げをあげることはできないので、リサイズする必要は出てくるのですが、そうするとe☆イヤホンではなくなってしまう。このジレンマをいかに解決するかが今後の課題ですね。

<ワイヤレスと女性が成長のカギ?>に続く

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