【大予測2017】「実質0円」販売終了 ガイドライン策定

オピニオン

2016/12/26 18:00

 2016年4月から実施された「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」は、スマホ市場に大きな影響を与えた。スマホ自体の普及が一段落したこともあり、ここ1年間の伸び率はキャリアが販売するSIM ロックモデルより、SIMフリーモデルのほうが圧倒的に高くなっている。

■0円スマホ

さらなる規制強化へ

 8月には、公正取引委員会が、現状の商慣習は独占禁止法違反の可能性があると指摘。長年続いていた「実質0円」や「同時購入で高額キャッシュバック」といった「スマ ホの買い方の常識」が常識ではなくなり、大手キャリアの優遇の対象がMNPから長期継続利用者に変わるなど、転換点となる1年だった。

 端末販売の適正化について、総務省は11月に新たな取りまとめを発表した。SIMロック解除に応じるまでの日数の短縮や、現状のガイドラインで曖昧な端末実質負担額の明確化などを盛り込み、新たに「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」として策定する方針だ。
 

過剰な高額キャッシュバックが禁止された

 「端末販売の適正化」のかけ声のもと、大手キャリアが販売する端末の価格設定の自由度はなくなり、代わりに端末は中古やSIMフリー、通信サービスはMVNOの活性化の追い風が吹く。しかし、一般消費者が望むのは、大手キャリアの通信料金の値下げだ。2017年は、ガイドラインの実効性が改めて問われることになるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
 
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年1月号から転載