<提案力を磨くSales Hints>日立 ふとん乾燥機

売るヒント

2016/06/24 18:00

 天気の悪い日にだけ使うことが多かったふとん乾燥機だが、最近は普段使いするケースが増えてきた。高層マンションなど、ふとんを干しにくい環境が多くなったほか、ダニ対策で注目されているのが理由だ。ふとん乾燥機でダニを熱し、ふとんクリーナーで吸引するのが効率的な手段であるとの認知も広がってきた。花粉やPM2.5の予防で季節を問わずに使う顧客も多く、日常使いのニーズが増している。

<提案力を磨くSales Hints>Case Stuby(4)
日立 ふとん乾燥機 アッとドライ

 乾燥マットがいらないふとん乾燥機。独自開発した「ふとん乾燥アタッチメント」を搭載し、前後と左右に各5cmの拡張が可能。アタッチメントの計13か所の吹き出し口からふとん全体に温風が広がる「3Dブロー方式」を採用し、シングルふとんを約30分で乾燥できる。
 
 
日立コンシューマ・マーケティング
リビングサプライ社
商品本部 生活家電商品部 リビンググループ
足立直也 部長代理

 

乾燥性能と手軽さを両立

 「『使うたびの設置や片づけが面倒で、ふとん乾燥機の使用頻度が減った』という消費者の声を受けて、とにかく手間を最大限省きました」。生活家電商品部リビンググループの足立直也部長代理は、開発のきっかけをこう語る。
 
「ふとん乾燥アタッチメント」を手に、「アッとドライ」について説明する足立氏

 日立の「アッとドライ」(HFK-VH700)は、乾燥マットの代わりにアタッチメントを使って直接、温風を送るタイプの急先鋒。U字型の「ふとん乾燥アタッチメント」を独自開発し、ダニ対策に効果がある50℃以上の温風を全体に行き渡らせる。乾燥力ではマットを使うタイプに軍配が上がると言われるなかで、シングルふとんを約30分で乾かすスピードは、他社と比べても速い。

 さらに「頻繁に使ってもらいたいので、出しっぱなしでも違和感のない外観にしました」と足立部長代理。吸込口をパネルで隠すデザインを採用したほか、ホース類の収納スペースを内部に確保し、乾燥性能と手軽さを両立させた。
 

デオドラント乾燥に裏技も

 「ふとん乾燥アタッチメント」は、香料メーカーと共同開発した専用デオドラント剤を使った芳香消臭ができる。加齢臭の主成分「ノネナール」を抑制し、ふとんのにおいを未使用に近い状態まで改善できる機能だ。

 ふとんの消臭という本来の目的以外に、裏技的な使い方も。足立部長代理は「ふとん乾燥アタッチメントは広範囲に温風を送るので、洗濯物に温風をあてることで生乾きの嫌な臭いを抑え、同時に部屋の芳香効果も期待できます」と紹介する。
 

 他社の製品に比べて、「アッとドライ」は比較的サイズが大きい部類に入る。収納性ではやや不利だが、その分、デザインや機能を充実させた。顧客に提案する際には、住居環境や生活習慣をしっかり把握し、手軽に清潔さを保てるという部分を積極的に打ち出すことが大切だ。(BCN・廣瀬 秀平)
<購入の後押しにつなげる“トーク”のコツ>
手間なくしっかり乾燥 住居環境や生活習慣の把握を

動画インタビュー
製品担当者に聞く『商戦の施策』
 
※購読無料の専門紙『BCN Retail Review』2016年7月号から一部改稿して転載