風薫る5月。すがすがしい気候に誘われて海や山などアウトドアレジャーを楽しむ方も多いだろう。外で活動する際に面白くて役に立つデジタルグッズといえばハンディタイプのGPS端末。そこで、ガーミン製の端末を大台ケ原山の登山に持参。実力を試した。

 風薫る5月。すがすがしい気候に誘われて海や山などアウトドアレジャーを楽しむ方も多いだろう。外で活動する際に面白くて役に立つデジタルグッズといえばハンディタイプのGPS端末。そこで、ガーミン製の端末を大台ケ原山の登山に持参。実力を試した。

●4つの衛星で測位すれば高度もわかる

 GPSとは「Global Positioning System」の略。カーナビゲーションだけでなく、最近では携帯電話やPDA(携帯情報端末)などにも搭載されているので、馴染みのある方も多いだろう。複数の衛星が発する電波が地上の端末に届くまでにかかった時間で、衛星と端末の距離を認識。3つの衛星から距離が測定できれば地球上のどの位置にいるのかがわかる、というしくみだ。さらに、4つの衛星で距離を測定すれば高度も割り出せる。

 最近ではアウトドア用に持ち運びが簡単なハンディータイプのGPS端末も増えてきた。地図表示機能があるものや、気圧高度計や電子コンパスを備えるもの、カラー画面表示や経路検索機能、USBポートの有無など、搭載する機能によって価格は異なってくる。自分に必要な機能は何か、購入前にあらかじめ確認しておこう。


 レビュー用にお借りしたのは、06年8月発売のガーミン製のアウトドア用「GPSMAP60CSx 日本版(74980194)」。ガーミンのGPS端末を扱う正規代理店「いいよねっと」の製品の中でも、前述の機能をすべて備える上位モデルだ。SiRF製のチップ「StarIII」を採用し、高速・高感度で測位が行える特徴がある。20万分の1の全国道路地図を内蔵するほか、日本詳細道路地図の全区画分を収録するmicroSDカードやUSBケーブルなどを付属する。

●いざ、大台ケ原山へ!――約4時間の周遊ルート

 さて、今回「GPSMAP60CSx」を使った場所は、奈良県と三重県の県境に位置し、日本百名山の1つである大台ケ原山(1695m)だ。吉野熊野国立公園内にあって特定保護地域に指定されている。路線バスや自家用車で大台ケ原ドライブウェイを使えば標高1570mの大台ケ原駐車場まで登れるので、初心者でも気軽に山登りを楽しめる。

 登山ルートは、大台ケ原駐車場→日出ガ岳→正木ガ原→尾鷲辻→牛石ガ原→大蛇ぐら→大台ケ原駐車場を巡る、約4時間の周遊コース。今回は特別に、「いいよねっと」から大台ケ原山の周遊ルート(地図データとルートデータ)を保存したmicroSDカードを添付して頂いた。



●目的地までの距離や所要時間を示すのは心強い

 現地では目的地までのルート案内を行う機能「ルートナビゲーション」を使用したが、登山中使用する「GPSMAP60CSx」の主なページは「衛星状態ページ」「地図ページ」「トリップコンピュータページ」「コンパスページ」「高度ページ」などで、「ルートナビゲーション」はこれらを使って多角的に目的地までの情報を提供してくれる。

 例えば、「衛星状態ページ」は電源を入れればすぐに表示されるページで、衛星の受信状態がタイムリーに確認できる。全部で12機の衛星からの電波を受信でき、その中で条件の良い4機を自動で選択して測位を行う。受信中の衛星には濃い色が付き、未受信のものは薄い色になるので状況が一目でわかる。

 現在地を地図上で確認できる「地図ページ」は、登山中に最も使用したページだ。microSDカードに転送された大台ケ原山の地図には、「正木ガ原」「尾鷲辻」などのポイントがあらかじめ設けられていたので、あとどのくらい歩けば当該ポイントにたどり着くのかがわかって便利だった。もちろん、地図も持参しているので確認はできるが、具体的な距離や所要時間をチェックできるのは心強かった。


 このほか、積算距離や最高速度、移動時間、高度などを表示する「トリップコンピュータページ」、方位や目的地の方向、最終到着時刻などを表示する「コンパスページ」、高度と気圧の変化をグラフ形式で表示する「高度ページ」など機能もある。しかし、実際は「地図ページ」を時々確認する程度で、これらの高度な機能はあまり使わなかった。使いこなすにはある程度の「慣れ」が必要だろう。

●携帯するにはやや大きめ 完全防水機能はほしい

 「GPSMAP60CSx」の携帯性や操作性も見ておこう。本体の形状は、ちょうどストレート型携帯電話を大きくしたような形で、トランシーバーのような大きさ。上部の突起部分はアンテナで、その手前に電源ボタンを装備する。表面のモニターには2インチの256色カラー液晶ディスプレイを搭載し、屋外でも画面が見やすい。本体下部に操作ボタンを備え、左右にはゴム製の滑り止めが施されているので、手に持った時にしっかりとホールドできた。


 本体サイズは幅6.1×高さ15.5×奥行き3.3cm、電池を含む重さは213gなので、正直言って「かさばって重い」というのが第一印象だ。登山の際には極力荷物の量を減らそうとするので、この点は気になった。また、今回は借り物だったので保護ケースやストラップを使用せず、すぐに取り出せるようズボンのポケットに入れていたので、なおさら邪魔になった。携帯する方法は少し考えたほうがよさそうだ。

 ボタンについてはすべて日本語表示なので、初めてでもすぐに操作することができた。本体上部の電源ボタンは、オンにする際ボタンを長押ししなければならないので、「今すぐ確認したい」と思っているのに起動に時間がかかってしまうのは少々もどかしかった。また、ボタンは下部に集中しているので、片手で操作すると本体が揺れてしまい、不安定になった。


 このほか、「GPSMAP60CSx」は背面の電池格納部にmicroSDカードスロットを搭載するので、地図データやルートデータを保存したmicroSDカードを挿入すれば、現地で使うことができる。また、防水機能に関しては、「GPSMAP60CSx」は生活防水なので、アウトドア用としては少々心配。大雨に降られることも考慮して、ここは完全防水を希望したい。電源は単3形乾電池2本。通常使用だと18時間利用できるが、利用予定時間プラスアルファの予備電池は用意しておきたい。


 因みに価格は12万6000円とかなり高額。ここでは紹介しきれないほどの多機能性を考慮すれば、妥当な値段だろう。さらに、登山の際はGPSだけに頼るのではなく、2万5000分の1の地図やコンパスなど、山に必要な基本アイテムはすべて揃えた万全の装備で臨もう。(WebBCNランキング編集部・井上真希子)