――2台レビュー 富士通「FMV-BIBLO LOOX P70R」とNEC「LaVie J LJ700/EE」<br />
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 常日頃「持ち運んで使う」用途なら、ノートPCは軽いほどいい。今のところ売れ筋は相変わらず3kg超の廉価マシンだが、ここにきて各社とも1kg前後の軽量PCを相次いで投入しはじめ、ノートPCに新たな軽量化の流れが見え始めた。そこで、特に軽いノートPCの売れ筋動向を見ながら、最新軽量マシンの代表格として1月に富士通とNECが発売した2機種をレビュー、これからの軽量ノート

――2台レビュー 富士通「FMV-BIBLO LOOX P70R」とNEC「LaVie J LJ700/EE」

 常日頃「持ち運んで使う」用途なら、ノートPCは軽いほどいい。今のところ売れ筋は相変わらず3kg超の廉価マシンだが、ここにきて各社とも1kg前後の軽量PCを相次いで投入しはじめ、ノートPCに新たな軽量化の流れが見え始めた。そこで、特に軽いノートPCの売れ筋動向を見ながら、最新軽量マシンの代表格として1月に富士通とNECが発売した2機種をレビュー、これからの軽量ノートPCの行方を占う。

●ターゲットは松下のLet's Note、各社が狙う「軽量ノート」市場

 軽量ノートPCをどう定義するかは難しいところだが、ここでは、日常的に持ち歩いてもさほど苦にならない1.5kg未満のマシンを軽量ノートPCと定義する。これに当てはまるノートPCを1月のBCNランキングで集計してみると、ノートPC全体のわずか4.7%だった。ところがこの軽量ノートPCが、徐々にではあるが拡大しそうな状況なのだ。売れ筋の3kg前後の重量級ノートPCが激しい価格競争の波にさらされているなか、「持ち歩きに最適化」されたノートPCなら付加価値が高く、まだ価格以外の部分でも十分競争が成り立ち「うまみ」があるからだ。



 現在このカテゴリーで強さを見せるのはロングセラーLet's Noteシリーズを擁する松下。コンスタントに40%前後の販売台数シェアを維持しながら、VAIOの2位ソニーと首位争いを繰り広げている。さらに、ここにきてレノボや三菱も相次いで軽量ノートを投入するなど動きが出てきた。そんななか、日本の2大PCメーカーである富士通とNECもこのカテゴリーに新製品を投入、徐々にシェアを伸ばしはじめている。では、実際にどんなマシンを投入してきたのか? 両社の軽量ノートPCを実際に使って確かめてみた。

●タブレットPCにもなるコンパクトで軽い富士通の「FMV-BIBLO LOOX P70R」



 まず、富士通が1月14日に発売したタブレットPC「FMV-BIBLO LOOX P70R」を見てみよう。わずか990gという軽さを実現しながらB5サイズよりふたまわりほど小さなコンパクトボディで携帯性もいい。実際に手に取ってみたが、片手でラクに支えられるほどの軽さで重量バランスがいい。さらに持ちやすく、タッチペンによるタブレット操作もしやすい。

 そして、最大のポイントは液晶画面。やや小さめの8.9型ワイドの液晶は、画面全体が回転するコンバーチブル型構造だ。液晶面を外側に向けて折りたたむと、タブレット状態になり、タッチペンでの操作がしやすくなる。折りたたむ際の回転もスムーズだ。



 また、画面の左下にはタブレットボタンが搭載されており、画面の明るさや音量の調整、画面表示を縦方向や横方向に変更するなどの各種設定が、キーボードを使わずできるようになっている。画面表示方向が変えられるのは、Webサイトのように縦スクロールが必要な場合に大変便利だ。

●指紋センサー搭載でセキュリティも万全!

  一方、セキュリティ対策については、「Norton AntiVirus 2006」がプリインストールされているほか、独自の「指紋センサー」も搭載されている。家族や職場など複数ユーザーで使用する場合、指紋センサーでユーザーの認識、ログインが簡単に行えるというわけだ。

 指紋やユーザーの詳細の設定、指紋によるログインの設定などは、「OmniPass」という専用ソフトがインストールされていて、初心者にも簡単に行える。ソフト上でのセキュリティ対策「Norton AntiVirus 2006」と、ハードウェア上でのセキュリティ対策「指紋センサー」を、併せて利用すればセキュリティ対策も万全。

 CPUは「Pentium超低電圧版753」を採用し、標準バッテリーでも4時間の駆動時間を実現している。メモリ容量は標準で512MB。30GBのHDD容量はやや不足を感じるかもしれないが、小さな1.8インチHDDを採用していることを考えると、これも妥当な数値といえるだろう。実際の起動も素早く、ストレスはまったく感じさせなかった。

 また、データの読み込みや保存、リカバリーなどを行うためのCD-RW/DVD-ROMドライブが標準で添付されているが、これも超小型の設計なので持ち運びに便利。さらに、外部インターフェースにコンパクトフラッシュとSDカードを直接装着できるため、デジカメやオーディオプレイヤー、PDAなどの機器との連携が容易だ。


 また、モバイルPCである以上、今や必要不可欠となった無線LAN機能も充実している。IEEE802.11a//11b/11gの3種類の規格に対応しているため、現時点で発売されている多くの機器と互換性がある。公衆無線LANスポットや勤務先、すでに持っている機器などの接続ではほとんど困ることはないだろう。

●タフさと強固なセキュリティを兼ね備えた軽量PC「LaVie J LJ700/EE」



 一方1月6日に発売されたのが、NECファン待望の超軽量パソコン「LaVie J LJ700/EE」。12.1インチの大画面液晶を搭載しながら、1066gという軽さが最大の特徴だ。実際に手にとってみると拍子抜けするほど軽い。しかし、天板に凸凹つけて、いわゆるボンネット構造とすることで、耐加圧150kgfという高い堅牢性を確保している。ボディにはマグネシウム合金を採用。さらにHDD周辺をラバーで保護し、落下や外部からの衝撃からドライブを守る。

 また、セキュリティの面からは、2つの対策が施されている。1つ目が、「TPMセキュリティチップ」。これはファイルやパスワードをハードディスク上で管理するのではなく、マザーボードのTPMセキュリティチップ上で管理するというもの。そのため、仮にハードディスクが他の端末に装着されても、内部のデータを読み取ることができない仕組みとなっている。また同チップでは、ファイル、フォルダ単位の暗号化や、他のユーザーから見ることができなくするための設定まで行うことができるので、安全性は高い。

 もう1つのセキュリティ機能は、BIOSからハードディスクにかけるパスワードだ。これも万が一、他のパソコンにハードディスクを装着されても、BIOSでパスワード認証が必要になるのでデータの流出を防ぐことができる。この2点を併せて使用することで、ユーザーのデータをがっちりとガードしてくれる。

●軽量マシンながら大きな画面とゆったりしたキーボード

 A4サイズに近いやや大きめのボディだが、その分画面も大きくキーボードも余裕の17.55mmピッチでタイプしやすい。さらに、底面にアルミフレームを使用することでノートパソコンとは思えないほど軽快なフィーリングで入力できる。また、HDDは超軽量PCでよく使用されている1.8インチタイプではなく、2.5インチのものを搭載。そのため、80GBと比較的大きなディスクが搭載可能になった。CPUは「Pentium超低電圧版753」を採用することに加え、電源効率のよい液晶インバータの採用、マザーボードに搭載されているデバイスの共通化など、徹底した省電力設計。標準バッテリーでも6時間の長駆動時間の駆動できる点も実用性が高い。



 さらに、メインメモリは本体に内蔵されている256MBに加え、増設スロットに標準で搭載されている256MBを併せて512MBが搭載されている。増設スロットに搭載されていた256MBを外して別売りのメモリを使用すれば、最大1.25GBまで増設することも可能だ。

 無線LAN機能も「FMV-BIBLO LOOX P70R」と同様に、IEEE802.11a//11b/11gの3種類の規格に対応している。また、ACアダプターもコンパクトサイズとなっているので、本体と一緒に持ち歩いても場所をとらないだろう。

●まだまだ広がる選択肢、軽量ノートに注目だ



 かたやミニサイズのタブレットマシン、方や大画面のオーソドックスマシンと、性格はまったく異なるが、1kg前後と軽いという点で共通している。このクラスのマシンなら毎日持ち歩いて使うモバイル用途にピッタリだろう。あとは用途や好みに応じて選べばいい。コンパクトさやタブレット用途を求め、キーピッチの狭さや画面の小ささに妥協ができるなら「FMV-BIBLO LOOX P70R」。また、多少かさばっても大きな画面とゆったりとしたキーボードを求めるなら「LaVie J LJ700/EE」ということになりそうだ。



 発売間もないこの2機種だが、すでに1月の集計で9位、10位とトップ10に食い込んできた。この調子で売り上げを伸ばしていけば、さらに参入メーカーは増え、軽量ノートPCは一気に活気づくことになるだろう。モバイラーに、再び幅広い選択肢が与えられる日は近いのかもしれない。(フリーライター・古作光徳)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。

*WebBCNランキング編集部「2台」レビューとは、何らかの共通点がある2台の製品を借り受け、個人的な体験をもとに使用感などをまとめたものです。「2台」レビューのほか、編集部員自らが購入した製品を対象とする「自腹」レビュー、社として購入した製品を対象とする「社腹」レビュー、もらい物を対象とする「他腹」レビューなどがあります。