PayPayがQRコード決済を開始、インバウンド対応に独自色

 ソフトバンクとヤフーの合弁会社であるPayPay(ペイペイ)が10月5日にQRコードによるスマホ決済サービス「PayPay」をリリースした。0.5%ポイント還元や3年間の手数料無料、中国の主要QRコード決済サービス「AliPay(アリペイ)」連携などをアドバンテージに先行する競合を追う。

スマホ決済サービス「PayPay」が正式にサービスを開始

 PayPayの基盤はインド最大の決済サービス事業者であるPaytm(ペイティーエム)。店頭でQRコードを提示する方式と店頭のQRコードを読み取る形式の方式に対応し、店頭のQRコードを読み取る方式であれば店舗側の手数料は3年間無料となる。また、AliPayとも連携しており、加盟店ではどちらのサービスも利用が可能だ。インバウンド需要も考える店舗にとっては一石二鳥で、導入店舗のメリットが手厚い印象だ。
 
店頭でQRコードを提示する方式と店頭のQRコードを読み取る形式の方式に対応

 「LINE Pay」が3.5~5%、「楽天ペイ」が通常0.5%/楽天カードを登録すれば1.0%という点では高還元というわけではないが、利用者に対して支払い完了時に0.5%相当のPayPayポイントが還元されることも売りだ。

 しかし、他のサービスは支払い方法が少なく1回あたりの支払限度額が2~3万円と低額であるのに対して、PayPayはクレジットカードや銀行口座、Yahoo!マネーと幅広い手段と連携し、限度額が50万円と使い勝手に優れる。

 対応予定店舗は、モンテローザ系列やワタミ系列の居酒屋、ドラッグストア、アパレルチェーンなど。2018年6月からサービスを展開している「Yahoo!ウォレット」のスマホ決済サービスはPayPayと統合され、顧客データも引き継がれる。
 
対応予定店舗一覧

 現在、QRコード決済は導入店舗や利用者が徐々に増えているという状況で、あるきっかけで急速に拡大する下地ができあがりつつある。政府がキャッシュレス化推進の切り札として、税制優遇やポイント還元で後押しする方針を示しているのも大きい。近い将来に起こるであろうパラダイムシフトのタイミングに備えて、各社の競争は加速していきそうだ。