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小泉成器の田中裕二社長が語る、口コミでヒットしたあの商品とは?

インタビュー

2017/09/22 15:00

 フィリップスのノンフライヤーの扱いで「健康でヘルシーな調理家電」という新ジャンルを築いた小泉成器には、大ブレイクした商品がまだある。それがリセットブラシだ。家電量販店の売り場でも見かけることが多くなったこの商品の秘話を田中裕二社長が明かす。

取材/道越一郎 BCNチーフエグゼクティブアナリスト
文/細田 立圭志、写真/松嶋 優子


小泉成器の田中裕二社長

12年目に大ブレイク

 小泉成器のリセットブラシは、音波振動で髪のからまりを軽減したり、サラサラの髪に整えたり、ブラシの先のメタルピンが頭皮に心地よい刺激を与えたマッサージ効果が得られたりする。もともとはドラッグストアやホームセンターで扱われていたブラシに、乾電池2本を搭載する工夫によって「家電製品」にした。

 「累計100万個のヒット商品だが、ブレイクしたのはここ2、3年で、実は発売から12年目になる」と田中社長は明かす。発売から4年目には生産中止になったこともあるほど、売り上げは芳しくなかったという。しかし、生産中止を発表したところ、多くのユーザーから「生産中止にしないでほしい」という声が上がったのだ。つまり、使ってもらえさえすればユーザーが満足して、しかもリピーターになる可能性の高い製品であることが分かったのだ。

 そこで、使用感をアピールすることに重点を置いたところ、テレビやSNSなどのブログで取り上げられるようになり、大ブレイクにつながったのだ。
 

小泉成器のリセットブラシとティファールの電気ケトル

 このような商品は、ティファールの電気ケトルにもあてはまる。「2004年当時は国内ではジャーポットが圧倒的に強く、電気ケトルはまったく受け入れられない状況にあった」と振り返る田中社長だが、売れる自信はあった。「ジャーポットが普及しているのは国内だけで、海外では圧倒的に電気ケトルが普及していた。ただ、海外では1.5Lや2Lが一般的だったので、国内用に0.8Lの製品をつくってもらった」と語る。

 今では、ジャーポットを上回る規模のカテゴリに成長し、ティファールとは600万台といわれているやかんをケトルに変える意気込みで取り組んでいるという。