テスコムのドライヤー、開発のヒントは意外な「アレ」

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2016/11/08 14:53

 業界トップクラスの大風量を実現したテスコムの「プロテクトイオンヘアドライヤー TID2500」は、内部構造を一から見直し、風の流れを極限まで最適化したのが特徴だ。すべての部品を見直すなか、開発のヒントになったのは、意外な「アレ」だった。


取材に応える左から商品開発部 技術開発課の徳重麻呂主任と
商品開発部 商品企画課の平山裕史さん

 大風量を実現させるポイントは、風の流れを妨げないこと。そのためには、より効率的に風を吸い込み、送り出す新たな仕組みが必要だった。

 開発を担当した商品開発部 技術開発課の徳重麻呂主任は、もとはデザイナー。構造の開発に必要な知識はなく、手さぐりの毎日だった。

 試行錯誤を重ねた結果、最大面積を確保できる吸い込み口や、乱流を抑えて風量をアップする吹き出し口などを実現。心臓部に当たるプロペラの開発には最も時間がかかったが、一風変わったところからアイデアを得た。

 それは、ラジコン飛行機の「ダクトファン」と呼ばれる部品だ。ダクトファンには、ラジコン飛行機の推進力を生み出す役割があり、ドライヤーの風を送る役割と似ていたのだ。

 「プロペラのことを調べているうちにダクトファンを見つけた。ドライヤーの中身だと確信した」と徳重主任。大学の論文や講義の資料を読み漁るなどして試作品を製作し、弱点だった騒音も克服した。

 徳重主任にとってはゼロからのスタートだったが、今では「社内で1番、流体力学に詳しい」(商品開発部 商品企画課の平山裕史さん)との評も。業界内の激しい競争を勝ち抜くため、これからも努力と挑戦を続けるつもりだ。(BCN・廣瀬 秀平)