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SIMフリースマホの拡大をけん引、ASUS「ZenFone」 新モデルへの期待高まる

時事ネタ

2016/09/26 14:31

 SIMフリースマートフォンSIMフリースマホ)の本格的な拡大は、今年2月から始まった。総務省が「実質0円」での販売を取りやめるよう、キャリアに指示したタイミングだ。SIMフリースマホ市場の最初の立ち上がりは、ASUSが「ZenFone 5」を日本市場に投入した2014年11月に遡る。

 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、2年前、2014年8月時点では、スマホ全体の販売台数のわずか6.9%に過ぎなかったSIMフリーモデルの割合は、2015年4月に初めて1割を突破。いったん低下したが、今年2月以降、常に1割を超え、拡大傾向にある。今年8月は、過去最高の18.9%を記録。Androidに限ると、すでにSIMフリーの比率は2割以上、月によっては3割を超える。
 

 ASUSは、2014年11月、「ZenFone 5」の発売と同時に、SIMフリースマホのトップメーカーに躍り出た。以降、おおむね20%超の高いトップシェアをキープしてきた。直近3か月は2位に甘んじているものの、次期モデル発売の噂による買い控えの影響であるとの見方もある。「ZenFone Go」発売直後の今年4月、5月はダントツの販売台数を記録したこともあり、1月~8月の累計シェアでは27.8%でトップだ。
 

ハイエンドスマホ「ZenFone」が変えた「SIMフリー=低スペック」のトレンド

 ASUSの躍進を年単位で振り返ると、参入年の2014年は、シェア12.4%で3位。当時は、まだSIMフリーの端末が少なく、手頃な価格ながら、高い質感をもった「ZenFone 5」は注目を集めた。

 2015年は、1位に浮上。「ZenFone 5」の後継機「ZenFone 2」をはじめ、「ZenFone 2 Laser」「ZenFone 2 Selfie」「ZenFone Zoom」を相次いで発売し、それらをあわせたASUSのSIMフリースマホの販売台数は前年の5.4倍に拡大、シェアは28.6%に上昇した。ASUSのシェア拡大と歩調とあわせ、SIMフリースマホの販売台数も増加した。
 

 「ZenFone 2」の新しさは、スマートフォンとしては初めて、4GBの大容量メモリを搭載するなど、「SIMフリースマホ=低スペック」というイメージを覆す高い性能。さらに、日本で使われている高速LTEの周波数帯に対応し、「ATOK」を搭載するなど、日本向けのローカライズとチューニングを施し、「SIMフリースマホならASUS」と強く印象づけた。

 ラインアップ強化の狙いは、「自撮り」に特化した「ZenFone 2 Selfie」、光学3倍ズーム、デジタル10倍ズームの「ZenFone Zoom」など、万人受けはしないが少し尖った製品を投入し、より多くのユーザーに製品を手にとってもらうため。「ZenFone 2」よりスペックを落とした分、価格を抑えた最薄部約3.5mmの「ZenFone 2 Laser」の人気を受け、今年に入り、1万円台の廉価モデル「ZenFone Go」も追加した。
 

販売中のASUSの主なSIMフリースマホ
 

全世界注目の「ZenFone 3」 いよいよ日本でも発売へ

 2016年は、前述の通り、1月~8月の累計でシェア27.8%を占め、トップに立っている。販売中の現行モデルに、海外では発売済みの最新モデル「ZenFone 3」が加わると、ラインアップはさらに充実する。
 

海外ではすでに人気沸騰の「ZenFone 3」(ASUS Global Webサイトより)

 「ZenFone 3」の特徴は、一言でいうと、最先端機能を搭載した多才のスマホ。性能の高さの割に価格は手頃で、日本でも海外と同水準で手に入ると、ヒットは間違いない。第3世代の新しいZenFoneは、カメラの画素数やバッテリ容量など、スペック面ではiPhoneをはるかに凌駕し、今秋の本命だ。「ZenFone 3」の登場で、ますますSIMフリースマホは伸びるだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。