究極の自撮り棒「MAVIC」の進化を確かめた

レビュー

2018/09/02 12:30

 DJIは8月29日・30日の両日、個人向け折りたたみ式ドローンの新製品「MAVIC 2」シリーズのメディア向け体験会を、千葉県木更津市の木更津無人航空機試験飛行場で開いた。

 新製品は8月23日にニューヨークで発表したもので、中判カメラの老舗ハッセルブラッドと共同開発のカメラを搭載する「MAVIC 2 Pro」と、光学2倍ズームのカメラを備えた「MAVIC 2 Zoom」の2機種。2016年に発売した「MAVIC Pro」の後継だ。体験会では両機種が登場し、それぞれ実際に飛ばして新機能や特徴を確かめた。
 
「MAVIC 2 Zoom」のドリーズーム機能で自撮りを試す。被写体の大きさは変わらず、背景の見え方がどんどん変わる。これまでプロでしかできなかった映像表現まで可能にする、まさに究極の自分撮り棒だ。
撮影した動画から画像を切り出した

 カメラ部にハッセルブラッドのロゴを冠したMAVIC 2 Proは、1インチの2000万画素センサーを採用した高画質モデル。F2.8~11まで絞り値を選べることで撮影の自由度が高まった。またHNCS(ハッセルブラッド・ナチュラル・カラー・ソリューション)に対応し、色彩を忠実に再現する。

 一方、MAVIC 2 Zoomは、35mmカメラ相当で24mm~48mmの光学2倍ズームレンズを備えたのが特徴で、1/2.3インチ1200万画素センサーを搭載。ズーム機能を生かしたドリーズーム撮影など新たな撮影スタイルも提供する。
 
DJIが8月に発表した個人向け折りたたみ式ドローンの新製品「MAVIC 2 Zoom」(左)と「MAVIC 2 Pro」

 両機種共通で、最長飛行時間は31分、最高時速72kmとパワーアップ。新設計ボディで空気抵抗を抑えつつモーターにも改良を加えて従来機種よりさらに静音化を実現した。撮影機能ではハイパーラプス機能を新たに搭載。同じ経路を何度も飛ばして合成するなどで、長時間にわたるハイパーラプス動画撮影などもできるようになった。また、被写体を自動追尾するアクティブトラック機能も進化。被写体が一時的に物陰に隠れるような場合でも、動きを予測しながら撮影が継続できる。圧縮コーデックにはH.265を使用、鮮明な4K動画の撮影を実現した。

 体験会では、弱い横風の中でも空中にぴたりと静止する、両製品の高い基本性能に改めて驚いた。その上で、素人でも、小さなドローン一台で、ズームレンズを生かしたドリーズーム撮影機能などこれまで大がかりな設備を要した撮影が簡単にできるという驚きも味わった。
 
DJIのスタッフのサポートで、ドローンを飛ばしたことのない参加者でも、すぐ操縦ができるようになった

 飛ばすだけでも十分楽しめるが、映像を通じてまるで鳥になったような気分にもひたることができた。日本では2015年にドローンの飛行についてのルールが定められ、重量200g以上のドローンは人口密集地区の上空では無許可で飛ばせなくなった。しかし、航空機の航路に影響がなく人が少ない地区で高度150mまでであれば、いくつかの条件を満たすことで自由に飛ばせる。そのエリアは意外に広い。ドローンを使えば、自撮りも思いのままだ。大自然の中でMAVIC 2シリーズは贅沢で究極・最強の自撮り棒としても活躍しそうだ。(BCN・道越一郎)
 
上空からでも自由自在に自撮りができる。鳥の分身を得た気分だ(MAVIC ZOOMで撮影)