ネットワークカメラ市場が盛況、平均単価の急落が要因か

アナリストPOSデータ分析

2022/06/08 11:40

 ホームセキュリティのほか、要介護者や幼い子ども、ペットの見守りなどの用途に用いられるネットワークカメラの市場規模は過去2年半で3倍以上に拡大した。平均単価はピーク時の半分以下となり、購入しやすくなっている。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で市場の動向をまとめた。なお、本記事では有線LANもしくは無線LANのIEEE802.11a,ac,b,g,nに対応している製品を対象とした。


 20年1月のネットワークカメラ販売台数を「100」とした指数は、「152.3」を記録した3月以降、右肩上がりに伸長。6月に「209.2」と初めて200を超え、10月には「334.4」と1年足らずの間に3倍以上の規模に達した。要因は中国のネットワーク機器メーカー、TP-LINKの新製品投入による急激な平均単価の下落だ。それ以前は、パナソニックやプラネックス、I・Oデータなどの1万円超えの製品が主流だった。しかしTP-LINKは6000円台の「KC100」や、4000円台の「Tapo C200」を投入。これによって平均単価は押し下げられ、2月の1万3200円をピークに、4月には9000円と1万円を下回った。さらに7月には7000円台、10月に6000円台に突入。20年10月以降も低価格のTP-LINK製品がけん引する形で指数は200~300前後で推移。直近の22年5月も「322.5」と高い指数を維持している。
 

 20年1月から22年5月のメーカー別販売台数シェアでも、20年1月時点で32.2%だったTP-LINKのシェアは、3月に5割、5月に7割、10月に8割を突破する急激な伸びをみせている。現在に至るまで常に7~8割を占め、2位以下に大きな差をつけている状態だ。市場にとって、同社による価格破壊のインパクトがいかに大きかったかがうかがえる。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。


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