増設やPCを自作する際に必要なメモリの市場は、2018年12月以降活発に動いている。1GB当たりの単価(GB単価)の大幅な下落が要因の一つに挙げられる。しかし20年に入り、GB単価は下落から上昇基調に転じ始めている。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」をもとにメモリ市場の動向とGB単価の推移についてみていく。


 直近2年間のメモリ市場の動向をみるため、18年2月の販売数量を「1.00」とした数量指数を算出(図1)してみると、メモリの売れ行きが拡大し始めたのは18年12月からであることが分かる。18年2月から11月までの波形はほとんど変動していないが、12月には「1.45」を記録、一転して活発な動きをみせた。メモリの需要期は、じっくりと時間をかけてPCの自作や改造を楽しみたいとするユーザーが多いことから、比較的長期の休み取れる年末・年始やゴールデンウィークなどとなるが、19年2月の数量指数は「1.55」と、こうした需要期を上回り、その後も高い水準での推移している。特に19年7月は「2.35」、12月には「2.73」、翌1月も「2.44」と数量指数が2倍以上を記録する月も出てきた。

 こうしたメモリ市場の活性化の裏にGB単価の下落が大きく作用していることが分かった。そこで同期間のGB単価の動きをみていくことにする。
 

 18年2月のGB単価は「1249.1」で1000円を上回っていた(図2)。その後、月を追うごとにGB単価は下落しており、12月に「967.4」と1000円を割り込む。図1で示したように、売れ行きが拡大し始めたのはちょうどこの時期にあたる。これを境にGB単価の下落は加速、19年6月には500円台、12月には「445.6」まで下げた。しかし、20年1月に入ると若干反発し「470.4」、翌2月には「506.0」と再び500円を上回っている。19年の前半で急落していたGB単価にブレーキがかかり、ここ3カ月で潮目が変わったことが、GB単価変動からも明らかだ。

 今後、見通しは不透明と言わざるを得ない。特に新コロナウイルスの世界的な蔓延で需給バランスが崩れることが予想され、市場の動きは読みづらくなる。メモリ工場自体はオートメーションが進んでおり、ウイルスの影響は少ないと言われているようだが、物流が滞る可能性は高く、影響はゼロではないだろう。



*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。