このところ、eスポーツがきっかけとなり、PCパーツ市場が活況を呈している。とくに目につくのは、PCを冷やす「ファン・クーラー」の販売増だ。CPUやGPUの演算処理向上に伴ない、排熱に関する問題が生じる。これに対処するためには、PCケースに取り付けるファンや各種パーツに取り付けるヒートシンクなどで放熱することが必要となる。そのファン・クーラー市場が好調に推移していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計するBCNランキングによって明らかとなった。


 ファン・クーラー市場全体の販売数量伸び率(前年同月比)の推移をみると、2017年7月まではマイナスで推移し、縮小していた(図1)。しかし、eスポーツの認知拡大によるPCパーツ市場の活況を背景に、ファン・クーラー市場も好転。17年12月の伸び率は前年比126.3%に達し、ここ2年の月別推移では最大の伸びを記録した。その後もほとんどの月で2ケタ増を維持しており、ゲーミングによる需要増を裏付けているとみてよさそうだ。
 

 BCNが集計するファン・クーラーには、ケースファンやCPUクーラー、ヒートシンクなどが含まれている。なかでも過半数を占めるケースファンのメーカー別数量シェアをみると、首位争いと3位争いが繰り広げられていることが分かった(図2)。まず首位争いは、サイズとアイネックスがともに2割近いシェアを獲得し、昨年末から僅差の争いを続けている。直近の18年5月は0.8ポイント差でサイズが首位となった。次に3位争いに目を向けると、17年5月の段階で10%台を獲得していたEnermaxが徐々にシェアを落としており、GELID solutions、Corsairと熾烈な争いを繰り広げている。

 先に挙げたeスポーツやビデオ編集などでCPUやGPUに高い負荷がかかる。記憶装置であるHDDやSSDからも熱を発しており、PC本体内の温度が上昇する。そうした熱をうまく本体の外に排出しなければ、熱暴走する可能性が非常に高い。また、これから外気温も上昇するため、この夏にケースファンやヒートシンクの需要が高まることは想像に難くない。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。