HUB市場、10ポート未満が9割、1000Mbが2割弱に


 総務省が約6000世帯を対象にアンケート調査でまとめた平成19年通信利用動向調査報告書によると、PC世帯保有率は85.0%、PCを2台以上保有する世帯は35.5%で、後者のなかでLANを構築しているのは前年対比で5.9ポイント増の72.5%に達した。内訳は「有線のみ」が28.7%、「無線のみ」が22.2%、「有線+無線」が21.6%で、3者はほぼきっ抗する勢力分布を示している。ただ、すう勢としては06年をピークに「有線のみ」の成長がやや軟化、逆に「無線のみ」と「有線+無線」は勢いを増す傾向にある(図表1)。地域別、世帯主年齢別のLAN構築状況をみると、ややばらつきが生じている。地域では地方以上に大都市圏、世帯主年齢では総じて20-30歳代の比率が高めとなっている(図表2)。家庭内LANの構築率が7割を超えてネットワーク環境はある程度成熟化しつつあるうえ、煩わしさの伴うケーブルの配線が不要となる無線LANの躍進で、有線LANが対象となる「HUB」の売れ行きはやや精彩を欠く状況にある。


 図表3で示すとおり、HUBの販売台数、金額伸び率は前年割れが続き、7月は台数が88.1%、金額が86.3%と、いずれも2ケタのマイナスへと転じている。単価は3000円前後で、大きな変化は現れていない。半年前の08/1月と比較したポート数、速度別の分布においても際立つ変化はない。ポート数では「6未満」が7割弱を占有し「6-10未満」を含めると9割以上を占める。一方、速度では「10Mb」がほぼ消滅、「100Mb」の比率が8割以上を占めて、ギガビットとなる「1000Mb」はやや増勢基調にあるものの2割弱にとどまっているのが実態だ(図表4)。

 家族全員が仮に1人1台のPCを所有、これをネットワーク化する場合でもポート数の少ないHUBで十分対応できるうえ、ネットにぶらさがるPCが増えてもカスケード接続でHUBを増設すればポート数を増やすことができるので、家庭向けでは6ポート未満が主流となっている。一方、速度に関しては、HUBやケーブルを高速化しただけでは体感速度の向上には直接結びつきにくい面がある。このためDSLから光への置き換えなどブロードバンド環境の整備や、高速CPUを搭載した新型PCへの切り替えを優先する傾向が強いとみていいだろう。企業向けのネットワーク機器と家庭向けのそれでは、ユーザーの速度に対する意識に隔たりがあるのは確かなだけに、家庭向けHUBの高速化はやや遅れ気味にあるとみていいようだ。


 ポート数と速度別の平均販売単価を半年前の08/1月と比較すると、ポート数が「20以上」では5000円ほど下げて2万5000円前後となった以外、価格差は生じていない(図表5)。「20以上」はSOHOや中小零細企業向けとみていいが、図表4に示すように店頭での販売量はごくわずかにとどまっている。ベンダー別台数シェアではバッファローの優位が顕著で、ここ数か月は小刻みにシェアを高めつつある。2番手は20%台をキープするコレガ、3番手グループは混戦でロジテック、アイ・オー・データ機器などが続く展開となっている(図表6)。


 HUBの利用形態はPCを端末としたネットワークだけでなく、今後は、薄型TVやレコーダーなど情報家電機器を巻き込んだホームネットワークへと進化していくのは必至だ。その際、ネットワークの要となるHUBは、新たな成長を遂げる可能性を秘めているとみていいだろう。